原子力産業新聞

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フィンランド 最終処分場の試験操業に進展

14 Mar 2025

桜井久子

地下貯蔵施設の試験用キャニスター  © Posiva

フィンランドで世界初となる使用済み燃料の深地層処分場を建設しているポシバ社は34日、地上の使用済み燃料の封入プラントにおける試験操業完了を明らかにした。最後となる5本目の試験用キャニスターに封入作業を行い、地下430mの貯蔵施設への搬送を成功裡に終えた。なお、実際に使用済み燃料は使用しておらず、非放射性の試験要素を使用している。

使用済み燃料は、最終処分がオルキルオトの地下岩盤に行われる前に、地上の封入プラントで鋳鉄製と銅製の二重構造の最終処分用のキャニスターに封入される。封入プラントの試験操業中に、一部の設備では改善の調整作業が必要と判断された。封入のプロセスは、高規格の放射線遮蔽機能を備えた施設で遠隔制御下にて行われ、キャニスターの損傷を想定し、キャニスター1本を封入プラントに戻す、回収試験も実施された。最終処分の試験操業は2024年8月に始まった

ポシバ社は、試験操業は最終処分プロセス全体の機能性と、実際の操業に向けた従業員の準備状況を組織的かつ技術的に検証する重要な段階と捉え、封入プラントの試験操業では、システムや手順の改善に時間を掛けると同時に、全従業員の能力強化と継続的な育成に重点を置いたという。なお、試験操業は、地下設備のすべてで個々の試験が適切に完了後、継続されることになっている。

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