インド ラジャスタン7号機が送電開始
18 Mar 2025
インドで建設中のラジャスタン原子力発電所7号機(PHWR、70万kW)が3月17日、送電網に接続し、送電を開始した。同機は、2024年9月19日に初臨界を達成している。
インド原子力発電公社NPCILは、計16基からなる70万kW級の国産PHWR建設プロジェクトを掲げており、ラジャスタン7号機が営業運転を開始すると、同プロジェクトではカクラパー3、4号機に次いで、3基目となる。ラジャスタン8号機、ゴラクプール1、2号機が建設中で、10基が計画中。すべて2031年までに運開予定であり、インド原子力省(DAE)は同年までに原子力発電設備容量を2,248万kWに増強する計画である。
インドの原子力発電開発をめぐっては、N. シタラマン大臣が2025年2月、2025年度(2025年4月~2026年3月)連邦予算を発表した。原子力発電設備容量を2047年までに少なくとも1億kWに引き上げるとともに、2,000億ルピー(約3,500億円)を投じて小型モジュール炉(SMR)の研究開発を推進する「原子力エネルギーミッション」を開始、2033年までに少なくとも国産SMR5基の運転開始をめざす方針を表明した。さらに、民間企業がこのセクターに参入するための大きなハードルとなっていた原子力法および原子力損害賠償法の改正を進め、民間部門との連携強化を図る考えを示している。
インド政府で原子力や科学技術を担当するJ. シン閣外専管大臣は、3月12日付けの下院議会への答弁書で、バーラト小型モジュール炉(BSMR)の開発状況について説明した。既存のPHWRを改良したBSMR-200(20万kWe)は、バーバ原子力研究所(BARC)とNPCILが設計・開発したもので、鉄鋼、アルミニウム、セメントなどのエネルギー集約型産業向けの自家発電用や、閉鎖予定の火力発電所の代替、送電網が未整備で接続されていない遠隔地への配置を想定している。現在、概念設計が完了し、当局の承認待ちであるという。建設期間はプロジェクト認可取得後、60~72か月を見込み、機器および部品の製造と納入はDAEが開発した国内のベンダーを通じて実施される。また、出力5.5万kWeの先行2基のツインユニットを2033年までにDAEのサイトに設置することも明らかになった。