原子力産業新聞

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原子力文化財団、女性層を対象に地球温暖化防止の観点からエネルギーを考えるパンフ制作

28 Apr 2020

原子力文化財団作成のパンフレット表紙

日本原子力文化財団はこのほど、パンフレット「私たちの暮らしを守るために」を制作した。主に女性層を対象として「地球温暖化防止の観点から見る将来のエネルギー」について考えてもらうことを目的としたもの。

パンフレットは冒頭、「猛暑や台風、豪雨を生み出す温暖化」と題し、気温の上昇に伴う自然災害の頻発・大型化、健康や農作物に与える影響について事例をあげながら述べ、人間の様々な活動から排出される温室効果ガス、特に化石燃料の利用によるCO2が温暖化の原因となっているとして、「温暖化は“加害者”も“被害者”も私たち」と問題を提起。また、「2050年までに80%削減」とする日本の温室効果ガス排出に関する国際公約や、他国の削減目標についても示し、「求められるのは、大幅な“ダイエット”」と、世界全体による努力の積み重ねが必要なことを強調。

その上で、生活者の視点から、「ポイントは、家庭などの電化と発電の低炭素化」として、例えば、電気を利用するヒートポンプ式のエアコンや給湯器では、使った電気エネルギーの3~6倍の熱エネルギーを作り出せることを述べ、電化による効果を「省エネルギーと省CO2」とアピール。さらに、温室効果ガス削減の長期目標達成に向け、原子力や再生可能エネルギーなど、発電に伴いCO2を排出しない「ゼロエミッション電源」の活用が重要なカギを握るとした。

2050年に向けたCO2排出量削減に関しては、電力中央研究所が2019年にまとめたレポートを引用し、「徹底した省エネルギー」、「再生可能エネルギーの最大限の導入」、「原子力の活用」の3つを推し進めていく必要性を解説。原子力発電所の安全対策についても説明している。

原子力文化財団では、今回のパンフレット作製に関し、現下の新型コロナウイルス感染症騒動により、地球温暖化問題への関心の薄れや収束後の経済建て直しに伴うCO2排出増が生じることも懸念し、「この機に電気のことについても考えてもらいたい」としている。

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