原子力産業新聞

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福島浜通りの産業集積に向け新たな「重点推進計画」、医療・航空宇宙分野も

07 May 2020

ミツフジのウェアラブルIoTシャツ、前面のトランスミッターで心電・心拍や温度・湿度などのデータを取得・送信

政府は5月1日、福島復興再生基本方針に基づき、県が作成した「重点推進計画」の変更を認定。浜通り地域の産業創出を目指す「福島イノベーション・コースト構想」に関し、計画期間が2020年度末から2025年度末までに延長するとともに、これまでの4つの重点分野、「廃炉」、「ロボット・ドローン」、「エネルギー・環境・リサイクル」、「農林水産」に加え、「医療関連」と「航空宇宙」を追加した。

復興庁、経済産業省、福島県は2019年12月に「福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真」を策定しており、「医療関連」と「航空宇宙」を加えた重点6分野の産業集積を進めていくこととなった。これを踏まえ、新たな「重点推進計画」では、浜通り地域の産業発展を目指し青写真で掲げられた「あらゆるチャレンジが可能な地域」、「地域の企業が主役」、「構想を支える人材育成」を3本柱として取組内容を整理した。

「医療関連」では、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する「ふくしま医療機器開発支援センター」(2016年開所、郡山市)などの拠点機能活用や、新規企業の参入促進も図っていく。例えば、京都・西陣織で創業し現在ウェアラブルIoTメーカーとして川俣町に工場を持つミツフジは、生体情報が取得できる電極付シャツを用いた医療機関との遠隔モニタリングシステムの開発にも取り組んでいる。

また、「航空宇宙」の分野では、「空飛ぶクルマ」試験飛行を始めとする「福島ロボットテストフィールド」の利用拡大や、宇宙航空研究開発機構と地元企業との技術マッチングなどを通じた新規参入・取引拡大があげられている。

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