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カナダNWMO、深地層処分場の二つ目の建設候補地点でもフィールド調査実施へ

29 May 2020

水試料の採取は、NWMOがサウスブルース地域の住民と共同で作成する基本的環境モニタリング・プログラムの1要素となる。©NWMO

カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は5月26日、使用済燃料の深地層処分場建設計画で絞り込まれた最終候補2地点のうち、オンタリオ州南部のサウスブルース地域で今年後半にも安全性の確保と環境保全のためのフィールド調査を開始すると発表した。もう一つの候補地である同州北西部のイグナス地域では、すでに昨年11月の時点で同様の調査が進行中。NWMOはこれらのうち、処分場建設サイトとして最も好ましい1地点を2023年までに確定する方針である。

カナダでは使用済燃料を直接処分する国家方針として「適応性のある段階的管理」(APM: Adaptive Phased Management)が2007年に採択され、実施主体のNWMOは処分場の建設から操業まで含めた「サイト選定プロセス」を2010年に開始した。2012年9月末までに国内の22地点が施設の受け入れに関心を表明しており、NWMOはその後これらをオンタリオ州内の2地点まで絞り込んだ上で、潜在的適合性の予備的評価を行っている。

NWMOは今回、サウスブルース地域の議会に「サイト選定プロセス」の次の段階について最新情報を伝えたもの。フィールド調査には試掘孔の掘削に加えて、地球物理学的調査や環境モニタリング、およびその他の調査作業が含まれる。これらの作業は、NWMOの計画についてビジョンを共有するための協議と同様に重要であり、NWMOはこの調査で同地域が建設プロジェクトの厳しい安全要件を満たしているか見極める方針。このため、NWMOは今後数か月の間に地元コミュニティと同調査の活動内容について情報共有を行うが、これらの活動すべてが新型コロナウイルスによる感染など、住民の健康に配慮した方法で行われるとしている。

この建設プロジェクトではまた、環境への影響評価や許認可手続きなど、周辺住民の健康と環境の防護を目的とした厳しい規制審査プロセスを経ることになっており、NWMOとしては地元コミュニティも交えた形で基本の環境モニタリング・プログラムを設計する。環境と水の保全が地元住民にとって最優先事項であることを念頭に、共有できるプログラムを共同策定する考えである。

NWMOによると、フィールド調査で得られる地質や環境のデータは工学的設計調査や安全評価分析等の結果とともに、安全性に確固たる自信を持って深地層処分場を建設することにつながる。さらに、地元コミュニティ住民の懸念や願望、目的に応じた形でプロジェクトを進められるよう、技術調査と並行して住民の福利関係調査もコミュニティと協力して実施するとしている。

(参照資料:NWMOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの5月28日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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