原子力産業新聞

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原子力委が六ヶ所再処理の平和利用担保を「妥当」、規制委審査の意見照会で

02 Jun 2020

六ヶ所再処理工場

原子力委員会は6月1日、原子力規制委員会より新規制基準適合性審査の中で意見を求められていた日本原燃六ヶ所再処理工場(青森県六ヶ所村)で行われる事業の平和利用の担保について、「妥当」とする答申を決定した。

六ヶ所再処理工場では、原子力発電所の使用済燃料から再利用できるウランとプルトニウムを取り出し、そこで回収されたウラン・プルトニウム混合酸化物はMOX燃料加工工場へと送られる。原子力委員会は2018年に、原子力平和利用の透明性をより高めるため、「わが国におけるプルトニウム利用の基本的考え方」を改定し、プルサーマル発電の着実な実施、それに必要なだけの再処理を行うことにより「プルトニウム保有量を減少させる」とする日本の姿勢を示した。今回の原子力委員会の答申は、これを踏まえた日本原燃による事業方針・計画、および規制委員会による判断の妥当性が確認されたもの。

一方、規制委員会では、5月13日に六ヶ所再処理工場について新規制基準に「適合している」との審査書案を取りまとめたのを受け、現在、正式決定に向け6月12日までパブリックコメントを実施中。1日にはテレビ会議で規制委員会と日本原燃とを結び、同じく新規制基準適合性審査が大詰めとなっているMOX燃料加工工場に関する審査会合が行われ、その中で、今後六ヶ所再処理工場が運転するために必要となる設計・工事計画の認可申請についても質疑応答があった。原子力規制庁の新規制基準適合性審査チームは、「建屋だけでも20近くあり、安全上重要な機器も1万を超える」などと、再処理工場の審査に係る膨大な物量を懸念し、全体的な計画が示される必要性を指摘。日本原燃は、審査の効率性も考慮した上で、設計・工事計画の認可申請を当初の22分割から4分類程度に大括りで整理し直すとし、秋口頃に説明を行う見通しを示した。

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