原子力産業新聞

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福島県・内堀知事が政府に要望活動、復興・創生の加速化を

25 Jun 2020

梶山経産相に要望書を手渡す内堀知事(左、経産省Twitterより引用)

福島県の内堀雅雄知事は6月24日、経済産業省他、中央省庁を訪れ、復興・創生に向けた提案・要望活動を行った。梶山弘志経産相との会談では、浜通り地域の産業創出を目指す「イノベーション・コースト構想」のさらなる推進などを要望。

新型コロナウイルス感染症が地域経済にもたらした影響の克服、「復興・創生期間」後における復興のさらなる加速化を全般的事項とし、避難地域・浜通りの復興・再生、風評被害対策の強化、「復興五輪」延期に伴う財政支援など、各省庁を通じて計46項目を要望。

このほど、復興庁設置法等の改正により、地震・津波被災地域は「総仕上げ」段階にある一方、原子力災害被災地域では中長期的対応が必要となっている状況を踏まえ、2020年度までの「復興・創生期間」に引き続き復興を支える仕組み・組織・財源の整備が図られることとなった。

要望事項の中で、「イノベーション・コースト構想」に関しては、3月に全面開所した「福島ロボットテストフィールド」の利用促進、エネルギー関連産業の集積、新重点分野(医療、航空宇宙)への支援の他、現在復興庁とともに検討が進められている国際教育研究拠点の構築について、「国立の研究開発法人として新設し、国が責任を持って長期にわたる予算、人員体制を確保すること」が盛り込まれた。

東日本大震災・原子力災害伝承館のイメージ図(福島県発表資料より引用)

また、今秋に双葉町に開館予定の「東日本大震災・原子力災害伝承館」への継続的支援として、資料収集を始めとする各事業の実施、研究体制構築などに要する運営費について、必要な予算確保を要望。

今回の要望では、昨秋の東日本台風に伴う甚大な被害を踏まえ、大規模自然災害に備えた総合的な防災・減災対策や、国土強靭化の取組に向け必要な制度設計や財源確保に努めるよう関係省庁に求めている。

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