トルコのアックユ発電所建設計画で2号機のベースマットが完成
30 Jun 2020
サイトを視察するドンメズ大臣 ©T.C. Enerji ve Tabii Kaynaklar Bakanlığı
トルコのエネルギー・天然資源省は6月26日、同国初の原子力発電設備として建設中のアックユ発電所(120万kWのロシア型PWR×4基)サイトで、2号機用のコンクリート製ベースマットが完成したことを明らかにした。同サイトでは2018年4月から1号機の建設工事が始まったのに続き、同年12月に2号機の部分的建設許可が降り、2019年4月には同炉の本格着工許可が発給された
この日は、同省のF.ドンメズ大臣が地中海沿岸のメルシン地区にある発電所建設サイトを視察した。同大臣はトルコが建国100周年を迎える2023年に1号機の運転開始を目指すと述べた。また、2号機に関しても同年末までに起動させることを希望している。同サイトでは、建設工事を請け負ったロシア国営原子力総合企業ロスアトム社のエンジニアリング部門AEMテクノロジー社が、2年かけて1号機用の蒸気発生器4台を完成させている。
ドンメズ大臣によると、同サイトでは現在約6,700人の建設作業員が働いており、エンジニアも含めてほぼ90%がトルコ国民。専門的知見が必要な部分ではロシアなど外国から来た専門家が働いているが、4基すべての建設工事が始まれば、同サイトでは1万5,000~1万6,000人が作業に従事することになる。後続の3号機については2019年4月3日、ロスアトム社のトルコ子会社であるアックユ原子力発電会社が同国の規制当局であるトルコ原子力庁(TAEK)に建設許可申請書を提出した。なお、TAEKの安全規制機能はその後、独立の原子力規制機関である原子力規制庁(NDK)に移管されている。
また、作業員のうち143名のトルコ人は建設プロジェクトが始まる前にロシアに留学して学位を取得。これに続いて、新たに102名が今後1~2年以内にロシアの大学を卒業して建設チームに加わる予定であるほか、22名がロシアで勉強を継続し修士号の取得を目指す。今年はさらに、25名のトルコ人学生をロシアの大学に送り出す計画だとしている。
(参照資料:トルコ・エネルギー・天然資源省(トルコ語)と半国営アナトリア通信(トルコ語)の発表資料、原産新聞・海外ニュース、ほか)