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カナダのNWMO、使用済燃料を処分場まで輸送する計画について意見募集開始 

19 Aug 2020

B.ワッツ副理事長 ©NWMO

カナダの核燃料廃棄物管理機関(NWMO)は8月14日、国内で使用済燃料の深地層処分場が2040年代に完成することを念頭に、各発電所の中間貯蔵施設から同処分場まで使用済燃料を輸送する計画の枠組策定で一般からの意見を募集すると発表した。NWMOは今回、同計画枠組の案文を公表しており、これに対するカナダ国民や先住民のコメントを今後数か月にわたって手紙やファックス、eメールで受け付ける。また、関係する協議に国民が加われるよう、NWMOがウェブサイト上に設定した「オンライン調査」への参加も呼びかけている。

カナダでは2007年、使用済燃料を直接処分することを定めた国家方針「適応性のある段階的管理(APM: Adaptive Phased Management)」が採択され、実施主体となるNWMOは2010年から処分場建設の「サイト選定プロセス」を開始した。2012年9月末までに国内の22地点が処分場の受け入れに関心を表明し、NWMOは現時点で候補地域をオンタリオ州南部のサウスブルース地域と北西部イグナス地域の2地点まで絞り込んだ。これらのうちどちらかを、処分場建設サイトとして最も好ましい地点として2023年までに確定する方針である。

鉄道やトラックを使用する使用済燃料の輸送計画に関しては、NWMOは一般国民の利益や意見を反映させるため、2016年以降に数千人規模の人々と協議。今回公表した枠組計画の案文はこうした作業の結果を盛り込んでいるほか、次の段階の重要ステップともなるため、NWMOは今回のコメント募集とオンライン調査の実施を決めた。

NWMOのB.ワッツ副理事長は、「使用済燃料の安全な輸送に向けて、今こそ社会的に受容可能な枠組を策定すべきだ」と表明。NWMOはこれまで数多くの人々の意見に耳を傾けてきたが、輸送計画の枠組を最終決定し追加・変更部分の必要性を判断するには、カナダ国民に案文をレビューしてもらい意見を得ることが重要になる。副理事長は、「2040年代を迎えるまでにどのようにして安全な使用済燃料輸送を確保するか、できるだけ多くの人々に議論に加わってもらいたい」と強調した。

カナダにおける使用済燃料の輸送はカナダ原子力安全委員会と連邦政府の運輸省が共同で規制することになる一方、国際的な輸送に際しては国際原子力機関(IAEA)の安全要件を満たさねばならない。NWMOの輸送プログラムでは規制要件の遵守で技術的側面が含まれるのに加え、国民の不安や質問に答えるなど国民が最優先とする事項を理解することが必要。このためNWMOは、使用済燃料の輸送に安全・確実を期すとともに、国際的な良慣行も取り入れたいとしている。

(参照資料:NWMOの発表資料、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの8月18日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)

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