インド規制委、ゴラクプール1、2号機建設計画で最初のコンクリート打設を許可
02 Dec 2020
ゴラクプール・サイト©AERB
インド原子力規制委員会(AERB)は11月27日、インド北部ハリヤナ州のゴラクプールで、1、2号機(各70万kWの国産加圧重水炉)を建設するためのコンクリート打設実施を認めたと発表した。この許可は、同月18日付けで発給済みとなっている。
ゴラクプールはハリヤナ州では初の原子力発電所立地点で、インド原子力発電公社(NPCIL)は最終的に、70万kWの加圧重水炉(PHWR)を4基建設する計画。インド内閣はこれらも含め、4サイトで合計10基の70万kW級国産PHWRを新たに建設することを2017年5月に決定した。NPCILがゴラクプールで2014年1月に起工式を開催した後、AERBは2015年7月に4基分の立地許可を発給。2018年1月には最初の2基(1、2号機)について掘削工事の実施を許可しており、NPCILは同年3月から掘削工事を開始していた。
発表によると、デリー首都圏から北西170kmのゴラクプールは地質が柔らかい沖積土であるため、NPCILは地質工学的調査や地震関係の調査を詳細に実施した。地盤の改良工事が完了した後は、気象学的なパラメーターを収集・記録中。ゴラクプール1、2号機はまた、今年7月に初めて臨界に達したカクラパー3号機(70万kWのPHWR)と同様の設計になるとしている。
一方のAERBは、複数階層で構成される安全関係の委員会を通じて、建設計画が安全規定要件に適合しているか審査した。特に土木建築工事や1、2号機の安全性関係の設計、およびレイアウトの変更などに集中したと説明している。
なお、AERBは同日、70万kW級国産PHWRの新規建設で閣議決定した4サイトのうち、インド南西部の既存のカイガ原子力発電所について、5、6号機(各70万kWのPHWR)の立地許可を11月18日付けで発給したと発表した。同発電所では出力22万kWのPHERが4基稼働中だが、5、6号機の設計とレイアウトはゴラクプール1、2号機と同じものになる。
この安全審査でAERBは、通常運転時や事故発生時に放射性物質が放出される可能性を集中的に評価したほか、サイト特有の人的要因や自然発生的な外部要因の影響を評価。これらはすべて許容可能であり、AERBの他の安全規定要件もすべて満たされているとしている。
(参照資料:AERBの発表資料①、②、原産新聞・海外ニュース、およびWNAの11月27日付け「ワールド・ニュークリア・ニュース(WNN)」)