原子力産業新聞

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原子力総合防災訓練、2月上旬に女川発電所を対象に実施

02 Dec 2020

女川発電所周辺の原子力災害対策重点区域(内閣府発表資料より引用、30km圏内のUPZ〈緊急防護措置を準備する区域〉までを含め人口は約20万人)

2020年度の原子力総合防災訓練が、東北電力女川原子力発電所を対象として、2月上旬に実施されることとなった。内閣府(原子力防災)が12月2日の原子力規制委員会定例会合で説明したもの。原子力災害対策特別措置法に基づき国が実施するもので、同法施行後、女川原子力発電所が対象となるのは初めてのこと。同発電所では、2号機が新規制基準適合性に係る原子炉設置変更許可に至っており、11月18日に立地自治体の事前了解を得たところだ。

前回訓練も新規制基準下では再稼働していない中国電力島根原子力発電所が対象となり、政府機関、自治体、地域公共機関など、約200機関、住民を含め約8,000人が参加し行われた。

今回の訓練は、「宮城県沖を震源とした地震、津波が発生。これにより、運転中の女川2号機が手動にて緊急停止。さらに、設備の故障が重なり、残留熱除去機能、原子炉注水機能が喪失する事象が発生し、施設敷地緊急事態、全面緊急事態に至る」ことを想定。自然災害と原子力災害の複合災害を想定し、(1)迅速な初動体制の確立、(2)中央と現地の連携による防護措置実施に係る意思決定、(3)住民避難・屋内退避――などの訓練を実施する。

女川原子力発電所の原子力防災に関しては、6月に「女川地域の緊急時対応」が取りまとめられており、移動に海路を要する地理的特性から、牡鹿半島(先端部)および周辺離島については、PAZ(発電所から半径概ね5km圏内)に準じた「準PAZ」として設定し、放射性物質が放出される前の段階から、住民避難などの予防的防護措置を実施することとされた。また、昨今の新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、避難所・車両、屋内退避における感染拡大防止策についても具体化されており、今回の訓練では、これらについても実効性を検証する。

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