原子力産業新聞

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これはもうお祭りだ

2019.11.10

「クルマは一切出入りできません!」と数週間前から通告されていたので、多少の覚悟はできていました。しかし大塚で用事を済ませ、そこからクルマではなくワザワザ自転車(docomoの赤チャリです)で帰路についた私を、青山一丁目交差点の厳戒態勢が容赦なく襲いました。「自転車は降りてくださーい。ご協力ありがとうございまーす」

や、待ってくださいよ。自転車降りて歩道へって言われても、それ以前に奉祝者(事前申請っぽい)以外は道路横断ダメなんでしょ?歩道であっち渡るには、この先だと歩道橋しかないじゃないですか。と口には出さず頭の中で考えて迂回を選択しました。でも普段なら悪態をつきたくなる状況なんでしょうが、なんだか顔がニヤついちゃうんですよね。「んもぅ、しかたないなぁ」みたいな。これはもうお祭りだからなんでしょうね。機動隊のバスがあちこちに駐車して厳戒態勢なんですが、雰囲気がお祭りなんですよ。報道関係者も、朝から誇らしげに各局の腕章下げて、どう見ても着慣れてないスーツ着て、下半身がムチムチみたいな若造がウキウキ闊歩してるんです。それもなんだか許せるような雰囲気があるんです。お祭りだからなんでしょうね。

途中、同じように自転車で迂回している地元の人たちを見掛けたのですが、みんな「んもぅ、しかたないなぁ」って顔してましたっけ。

というわけで青山一丁目のHONDAから、青山墓地を突っ切って乃木坂経由で大回りをして赤坂へ帰宅です。赤坂は自転車もアウトと言われていたので、自転車は乃木坂のポートに返却したわけです。しかし今度は赤坂周辺が大盛り上がり。「コロンビア通り」の坂道が大行列です。不肖ながら私めも日本人としての習性から、咄嗟に行列最後尾に並びそうになりましたが、まぁ待て、もちけつ、最後尾が見当たらない。どうやらこの先の裏道に沿って赤坂見附まで続いてるっぽいんです。断念して現況調査です。どうやらこの行列は、青山通りへ出るための手荷物検査のようです。凄まじい。しかもどう見ても陛下の車列に間に合いそうもありません。あの行列の長さと手荷物検査の厳格さから言って。

が、ここから再度「お祭りだ!」と確信させたのですが、おそらく最後(パレード開始の数分前!)は警察が「歩道からであればOK」とか「これ以上は陛下のパレードに近づけないからOK」とか判断して、小粋な計らいをしたみたいですね。並んでいた人たちの間から大歓声と拍手が沸き起こったと思ったら、それまで牛歩だった行列がスゴイ速さで進み始めましたもの。

ちなみにこんな雰囲気は二度と味わえないからと、娘を連れて周辺をブラついたのですが、幼稚園児は10分もちませんでした。結局パレードはテレビのLIVE中継で拝見です。テレビ放送で「権田原(ゴンダワラ)」が連呼されることなんて、もう二度とないかもしれん、と余計なことをウキウキと考えながら。

石井敬之

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