上毛かるたの魅力
2019.12.18
「上毛かるた」と言っても、ピンとくる人は群馬県人以外であればそう多くはないのではないでしょうか。
そろそろお正月。
群馬県人にとって冬の風物詩と言えば、それは「上毛かるた」。
多くの人にとっては「何それ?」という感じだと思いますが、群馬県人にとっては、もはや知らぬ人はいないと言っていいほど、超有名かるたなのです。少なくとも一つや二つの読み札が空で誰もが言えるくらい、それくらいポピュラーなもので、街なかの電柱の企業広告や有名なこんにゃく工場の壁にもかるたが描かれるなど、群馬県が誇る一大文化となっています。
先日も、校区の育成会で上毛かるた大会が開催され、多くの子供たちが参加しました。そこで上位にランクインした子供たちは、年明けの県予選大会、そして2月の県大会に参加します。大会前には、夜など集まって、子供たちが練習するほどすごい気合の入った大会なのです。私も知らなかったのですが、大人向けの大会(King of JMK、JMKは上毛かるたの略、たぶん)もあるそうです。
この上毛かるた、群馬県庁のウェブサイトによると、誕生したのは昭和22年12月。日本が敗戦した翌々年で、暗い世相のなか「子供たちに明るく楽しく、希望のもてるものはないか」と考え、誕生したのが「上毛かるた」だそう。
上毛かるたの魅力は何と言っても、絵札もさることながら、読み札の「音」ではないでしょうか。何枚かご紹介します。
- 心の燈台 内村鑑三
- 平和の使徒(つかい)新島襄
- 世のちり洗う 四万温泉
- 浅間のいたずら 鬼の押し出し
- 昔を語る 多胡(たご)の古碑
- 雷と空風(らいとからっかぜ) 義理人情 などなど
このように、群馬県にゆかりのある人物や自然、史跡などが短い言葉で小気味よく読まれており、かるたで遊んでいるうちに自然と体に沁みついていきます。
かくいう私の息子も保育園の時から上毛かるたに親しんでいるせいか、かるたも群馬も大好きです。かるたを通じて、郷土愛を育む――「三つ子の魂百まで」と言いますが、やはり、小さい時からの教育は大切です。
大野薫