原子力産業新聞

COP28

グローバル・ストックテイク 28回目となるCOP28開催地はUAEのドバイです。前回のCOP27から持ち越しとなったロス&ダメージ(気候変動の悪影響にともなう損失および損害)対策など、気候変動に関するさまざまなテーマが議論されます。

COP28【番外編】N4C若手メンバーが活躍

2023/12/04

「Nuclear for Climate(N4C)」は、世界150以上の原子力関連組織により結成されたイニシアチブ。気候変動緩和へのソリューションとして原子力と再生可能エネルギーを一緒に活用することを訴え、積極的に政治家や一般市民、他業界との対話を実践している。日本原子力産業協会は、N4CイニシアチブにCOP21(2015年パリ)から参加しており、今回のCOP28においてもN4C若手メンバーによる活動を支援している。

若者だからこその行動力を存分に発揮している。N4Cメンバーの一人であるオーストラリアから参加したW.シャッケルさん(17歳)は、会場内で仏マクロン大統領に遭遇し、躊躇することなくコンタクト。同大統領から「(オーストラリアの)原子力禁止政策は撤廃するべきだ」とのコメントを得てSNSに投稿。このニュースはその日のうちにオーストラリア中のメディアで取り上げられた。

そのほかにもメンバーたちは、再生可能エネルギー関連団体のイベントに積極的に参加し、“Together is better”をスローガンに、原子力と再生可能エネルギーを両輪として気候変動緩和を目指そうと呼び掛けている。

世界の原子力産業界が、こうした積極的な若手に良い刺激を受けていることは間違いなく、N4Cのブースには産業界の要人が次々と訪問し、若者を激励する姿が目立った。日本からは東芝エネルギーシステムズ社の四柳端社長が来訪し、若者たちに取り囲まれていた。

四柳氏に壁画について説明しているのは、アルゼンチンから参加しているJ.ロメロさん。本業は原子力エンジニアだ。ブースの壁画を初日から描き続け、この日、ついに完成した。

現地取材

  • 石井 敬之

    総括課長にして編集長。COPへの参加は昨年のエジプト以来2度目。特技は料理。

cooperation