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2011年3月に発生した東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故から間もなく10年が経とうとしています。今なお、4万人近い方々が故郷から離れた生活を余儀なくされており、一日も早いご帰還をお祈りするとともに心よりお見舞い申し上げます。
現在の被災地の状況は、2011年4月時点で福島県土の約12%を占めた避難指示等区域が2020年3月現在、約2.4%まで縮小し、帰還困難区域内においても一部避難指示が解除され、居住を可能とする特定復興再生拠点区域の整備が進むなど、復興は着実な進展を見せています。また、2020年2月には、これまでの検査実績を踏まえ、福島県海域における水産物の出荷制限指示が全て解除されました。同様に福島県内で行われていた米の全量全袋検査も2015年産米以降で基準値(100Bq/kg)の超過がないことから、2020年産米から大部分の地域で抽出検査に切り替えられるなど、農水産物の生産も徐々にではありますが回復してきています。これまでの地域の復旧復興や農水産業の復興に従事された皆さまのご努力に敬意を表します。
当協会では事故後、福島県内を中心に住民の方々を対象とした放射線に関する理解活動、復興に向けた自治体間情報交換の場作りなどの活動を行ってまいりました。今後も地域の皆さまに寄り添った支援を継続してまいります。
今般、福島第一原子力発電所の事故から10年を迎えるにあたり、当協会では特設のホームページを作成し、多方面の方々のインタビュー等も交えながら、復興に努められる住民の方々及び関係する皆さまのこれまでの取り組みや、安全第一で作業が進む福島第一原子力発電所の廃炉に向けた様々な活動、そして今後の取り組みなどについて紹介していきます。是非、ご覧いただきたいと思います。
2021年1月28日
一般社団法人日本原子力産業協会
理事長 新井 史朗