原子力産業新聞
原子力産業で働いてみませんか?文系も理系も。きっとある、あなたが輝くフィールド。
広くて深いぞ!原子力フィールド インフラエネルギー/コンピューターシステムの保守・運転/リスク評価/廃炉地層処分/調査コンサルティング/脱炭素地球温暖化対策/商品企画マーケティング/放射線 診断・治療/ロボット・AI/研究・開発/工業・農業・食品への放射線利用/広報・宣伝/事務(総務・経理・人事)/発電所の設計・建設・保守 チャレンジできる分野×仕事の現場 オフィス/工場/病院/大学/発電所/研究所/学校

文系出身の私たちが活躍しています。

VOICE 01自治体とのコミュニケーション

Watanabe Mana
渡邉麻奈さん
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
計画管理部 総務・共生課

研究所の「いま」と「これから」を町に伝える仕事であり、周辺地域の理解・信頼の上に成り立っている原子力の研究開発等の一助となることにやりがいを感じます。地域と研究者の橋渡し役となり、事業や研究活動などについて伝えることを通じて、人類社会の福祉に貢献していくのが夢です。

仕事内容

研究所内の原子力施設の新増設・変更・廃止やプレス発表等について、原子力安全協定に基づき、締結先の県や立地・隣接自治体に対して説明・報告を行う。

出身学部・学科

人文学部 人文コミュニケーション科

現在担当しているプロジェクト

年度初めに研究や施設の整備計画等を記載した年間主要事業計画書を提出する前の事前ヒアリングで、県や立地・隣接自治体の担当者に対して説明を行う場に同席させていただきました。関係自治体が一堂に会して事業計画について質疑応答をする機会はまれで、貴重なコミュニケーションの場だと感じました。

ある日のタイムスケジュール

  • 9:00
    始業、メールチェック
  • 10:00
    隣接自治体へ、研究結果のプレス発表に関する報告書の提出・説明
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    デスクワーク(稟議書審査)
  • 15:00
    原子力規制委員会
    検討チーム会合に係る
    自治体への事前説明
  • 17:00
    デスクワーク(議事メモ作成)
  • 17:30
    終業・帰宅

理系の皆さんにとって働きがいのある職場。

VOICE 02数万年先を予測する解析技術の開発

Takubo Yusaku
田窪勇作さん
原子力発電環境整備機構(NUMO)

研放射性廃棄物の地層処分は、現代の私たちの生活だけではなく、遠い将来にわたって数え切れないほど多くの人たちの生活にも関わるプロジェクトです。責任の重い仕事ですが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。

仕事内容

処分場の安全性の評価の際に必要となる、地下水の流動や人工バリア材料の状態変化に関する数値解析技術の高度化などを行う。

出身学部・学科

理学研究科 宇宙地球学専攻

現在担当しているプロジェクト

6カ国の地層処分事業者や研究機関が参加する国際共同研究を担当しています。この共同研究では、処分場の安全機能上、重要となる粘土材料が地下深部でどのように変化するかを予測・評価するため、数値解析技術の高度化などを進めています。また、温度場、水理場、応力場や化学場などが相互に影響を及ぼし合う複雑な現象を理解する必要があるため、幅広い知識や技術を意欲的に習得する姿勢を大事にしています。

ある日のタイムスケジュール

  • 9:00
    始業、朝礼
  • 9:15
    資料作成
  • 10:30
    国際共同研究に関する打ち合わせ
  • 11:00
    資料作成
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    テストモデルを用いた地下水流動の予備解析作業
  • 14:30
    技術部の業務改善に関する会議に出席
  • 15:30
    高温環境における粘土材料の物性変化に関する論文調査
  • 17:30
    終業・帰宅

VOICE 03調達という仕事で会社を支える

Yamamoto Toru
山本 透さん
株式会社東京エネシス
調達センター 工事契約グループ

工事現場をスタートするために必要不可欠な協力企業との契約を行うために交渉を重ね、契約締結ができた時にやりがいを感じます。また、調達部門はコスト低減に積極的に取り組むことができる部門です。この分野を選んだきっかけは、国家的プロジェクトである原子力発電の仕事に興味があり、情報処理や簿記など学んだことを生かし、事務系分野で関わりたいと考えたためです。

仕事内容

原子力設備における協力企業との工事請負契約。

出身学部・学科

商業高校 情報処理科

現在担当しているプロジェクト

現在、原子力立地地域の協力企業との取り引きが多く、新規制に対応した更新作業を進めながらも、設備を維持するための保守作業が行われています。環境の変化に応じた取り引きを行い、継続していくことが生活の基盤となり、社会貢献につながっていると思います。

ある日のタイムスケジュール

  • 8:30
    始業
  • 9:00
    営業所からの契約依頼の受け付け、依頼内容の確認
  • 10:30
    協力企業への見積依頼
  • 11:30
    見積書の受け付け
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    営業所との打ち合わせ
  • 14:00
    発注内容の検討
  • 15:00
    協力企業へ発注内容を提示、交渉
  • 17:00
    発注書の送付
  • 17:30
    終業・帰宅

VOICE 04科学の知識を生かして原子力の最前線へ

Kourakata Yumi
小浦方 優美さん
三菱重工業株式会社
原子力事業部
新型炉・原燃サイクル技術部

東日本大震災を経験し、「地元福島の復興に貢献したい」と考えたことがきっかけで、原子力に関わる現在の仕事を選択しました。現在、従事している核燃料サイクルの分野においては、サイクルの実現に向けて高度な技術力が必要とされています。日々の業務を通して成長が実感できています。

仕事内容

六ヶ所再処理工場、およびMOX燃料加工工場における換気空調設備の設計。

出身学部・学科

理学研究科 化学専攻

現在担当しているプロジェクト

入社2年目で、福島の原子力発電所安定化に向けた分析、研究施設の主要設備の基本設計に携わり、最前線で活躍する機会をいただきました。自分の専門を生かしつつ、社内研修や先輩社員のご指導によって設計のノウハウについて理解を深めることができました。この経験が今も自信につながっています。

ある日のタイムスケジュール

  • 8:40
    始業、ToDoリスト確認
  • 9:00
    社内打ち合わせ
  • 10:00
    資料作成
  • 12:00
    昼食
  • 13:00
    図面確認、関係者と打ち合わせ (途中、コーヒーブレーク)
  • 17:00
    報告書・ToDoリスト作成
  • 17:30
    終業・帰宅

原子力フィールドで働くためのQ&A

Q1原子力発電の将来性に
ついて教えてください。

A12021年に決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年の電源構成比で20〜22%を原子力発電 によって賄うことになっています。これは、発電所数に換算すると30〜35基が必要となります(23年6月現在、10基が稼働中)。 社会的な信頼回復が最優先ですが、原子力発電はCO2を排出 しない電源として、再生可能エネルギーと共に重要な地球温暖 化対策の一つに位置付けられています。

Q2人の役に立つ仕事が
したいです。

A2素晴らしいお考えです。そのような若い人がたくさんいれば、日本、ひいては世界の将来は明るいと思いま す。国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が策定されていることはご存じですね。原子力技術は私たちの生活に欠かせないものになっていて、SDGsの多くの目標に関連しています。 あなたが貢献したい分野から仕事を探すのもいい方法かもしれません。

Q3将来、海外事業に関わる
仕事ができますか。

A3世界に目を向けると、人口は増え続けており、持続可能な成長のためには安定したクリーンなエネルギーが必要です。欧州などで原子力発電は持続可能な開発、ならびに地球温暖化対策に寄与する電源と位置付けられています。国際原子力機関(IAEA)は、2050年の原子力発電量を少ない場合で現状維持、多い場合なら約倍増と予測しています。たとえ現状維持でも、必要量を確保するには、閉鎖される古いプラントの代わりに新しいプラントを建設する必要があります。このことからも分かるように、原子力産業界にはグローバルに活躍できる場がたくさんあります。また、日本の原子力技術は世界でもトップクラス。日本で学んで、世界で活躍する。原子力産業界なら、そんな先輩がたくさん見つかるでしょう。

Q4文系出身の先輩は
どんな仕事を
していますか。

A4企業には専門的な技術を持つ人も必要ですが、その技術を社会で役立てるには、企画や営業、経理、総務、広報、渉外、調達、法務など、さまざまな知識やスキルが必要になります。そういった業務分野には文系の先輩も多く、中にはキャリアを積んでいくうちに技術畑に移られた方もいます。いろいろな個性が必要です。ぜひ、原子力産業界で勝負してみてください。

Q5原子力工学を
学んでいない理系に
活躍の場はありますか。

A5原子力に直接関係する発電会社やメーカーの原子力技術部門でも、大学で原子力工学を学んだ人の割合は2割程度といわれています。というのは、例えば原子力発電所でも、原子炉以外に電気機器、制御機器、ポンプ、バルブ、タービン、建物・構築物など、さまざまな技術が必要だからです。あなたが学んだ専門知識を生かせる場がきっとあります。

Q6AIに興味がありますが、
エネルギー分野で
関われますか。

A6IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を用いることで起きる技術革新「第4次産業革命」が目の前に迫っているといわれます。ただ、それらは実社会で活用してこそ!原子力にはまだまだ課題がありますが、逆に言えば、それだけ新技術で革新していく余地があるということ。エネルギーは社会の重要なインフラなので、イノベーションによるインパクトは非常に大きいと言えます。ぜひ若い力で革新してください。また、ロボットについても放射線が厳しい環境などで大活躍しているので、ロボットに興味がある方も大歓迎!

こんな現場で、あんな仕事!図鑑

原子力発電プラントの運転

東京電力ホールディングス株式会社
柏崎刈羽原子力発電所
発電所の各設備に異常がないかを、24時間体制で監視しています。再稼働に向けては、シミュレーターを用いた訓練を何度も繰り返し行い、チーム一丸となって安全レベルの向上を目指しています。運転員は唯一機器の操作を許されているので、プラントを任されている責任感や緊張感でやりがいを感じます。

原子力発電プラントの
保守メンテナンス

関電プラント株式会社
原子力事業本部
主な仕事は、発電所の定期点検や修繕工事の施工管理。お客さまのニーズを把握して工事計画を立て、協力会社と一体となって一つ一つの工事を行います。無事故・ 無災害で工事を終えた時の喜びはまさに格別。近年では、原子力発電所の再稼動に向けた新規制基準対策や廃止措置工事も、全国に先駆けて取り組んでいます。

放射線で「がん」を克服

医療機器メーカー
医療機関資料提供:
QST放射線医学総合研究所
日本人の死因トップである「がん」。患者さんの体の一部 分に高エネルギーの放射線を照射し、がん細胞を殺します。このような装置を国内メーカーが技術開発し、多くの病院に納入しており、治療患者数は25万人以上ともいわれています。今後も装置の小型化や体の動きに合わせた追尾照射など、更なる技術開発が期待されています。

原子力事業で培った技術で
ロボット開発

三菱重工業株式会社
原子力事業部
原子力プラントの点検・保全を行う遠隔ロボットの開発・製造をしています。メカ、エレキ、ソフトウェアの技術者がチームを組み、研究所や大学とも協力しながら、ユーザーが求める製品を作り上げます。福島原発収束や他分野で活躍できるロボット開発にも取り組み、幅広い社会貢献を目指します。
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