研究所の「いま」と「これから」を町に伝える仕事であり、周辺地域の理解・信頼の上に成り立っている原子力の研究開発等の一助となることにやりがいを感じます。地域と研究者の橋渡し役となり、事業や研究活動などについて伝えることを通じて、人類社会の福祉に貢献していくのが夢です。
研究所内の原子力施設の新増設・変更・廃止やプレス発表等について、原子力安全協定に基づき、締結先の県や立地・隣接自治体に対して説明・報告を行う。
人文学部 人文コミュニケーション科
年度初めに研究や施設の整備計画等を記載した年間主要事業計画書を提出する前の事前ヒアリングで、県や立地・隣接自治体の担当者に対して説明を行う場に同席させていただきました。関係自治体が一堂に会して事業計画について質疑応答をする機会はまれで、貴重なコミュニケーションの場だと感じました。
研放射性廃棄物の地層処分は、現代の私たちの生活だけではなく、遠い将来にわたって数え切れないほど多くの人たちの生活にも関わるプロジェクトです。責任の重い仕事ですが、非常にやりがいのある仕事だと感じています。
処分場の安全性の評価の際に必要となる、地下水の流動や人工バリア材料の状態変化に関する数値解析技術の高度化などを行う。
理学研究科 宇宙地球学専攻
6カ国の地層処分事業者や研究機関が参加する国際共同研究を担当しています。この共同研究では、処分場の安全機能上、重要となる粘土材料が地下深部でどのように変化するかを予測・評価するため、数値解析技術の高度化などを進めています。また、温度場、水理場、応力場や化学場などが相互に影響を及ぼし合う複雑な現象を理解する必要があるため、幅広い知識や技術を意欲的に習得する姿勢を大事にしています。
工事現場をスタートするために必要不可欠な協力企業との契約を行うために交渉を重ね、契約締結ができた時にやりがいを感じます。また、調達部門はコスト低減に積極的に取り組むことができる部門です。この分野を選んだきっかけは、国家的プロジェクトである原子力発電の仕事に興味があり、情報処理や簿記など学んだことを生かし、事務系分野で関わりたいと考えたためです。
原子力設備における協力企業との工事請負契約。
商業高校 情報処理科
現在、原子力立地地域の協力企業との取り引きが多く、新規制に対応した更新作業を進めながらも、設備を維持するための保守作業が行われています。環境の変化に応じた取り引きを行い、継続していくことが生活の基盤となり、社会貢献につながっていると思います。
東日本大震災を経験し、「地元福島の復興に貢献したい」と考えたことがきっかけで、原子力に関わる現在の仕事を選択しました。現在、従事している核燃料サイクルの分野においては、サイクルの実現に向けて高度な技術力が必要とされています。日々の業務を通して成長が実感できています。
六ヶ所再処理工場、およびMOX燃料加工工場における換気空調設備の設計。
理学研究科 化学専攻
入社2年目で、福島の原子力発電所安定化に向けた分析、研究施設の主要設備の基本設計に携わり、最前線で活躍する機会をいただきました。自分の専門を生かしつつ、社内研修や先輩社員のご指導によって設計のノウハウについて理解を深めることができました。この経験が今も自信につながっています。
2021年に決定された第6次エネルギー基本計画では、2030年の電源構成比で20〜22%を原子力発電 によって賄うことになっています。これは、発電所数に換算すると30〜35基が必要となります(23年6月現在、10基が稼働中)。 社会的な信頼回復が最優先ですが、原子力発電はCO2を排出 しない電源として、再生可能エネルギーと共に重要な地球温暖 化対策の一つに位置付けられています。
素晴らしいお考えです。そのような若い人がたくさんいれば、日本、ひいては世界の将来は明るいと思いま す。国連サミットで持続可能な開発目標(SDGs)が策定されていることはご存じですね。原子力技術は私たちの生活に欠かせないものになっていて、SDGsの多くの目標に関連しています。 あなたが貢献したい分野から仕事を探すのもいい方法かもしれません。
世界に目を向けると、人口は増え続けており、持続可能な成長のためには安定したクリーンなエネルギーが必要です。欧州などで原子力発電は持続可能な開発、ならびに地球温暖化対策に寄与する電源と位置付けられています。国際原子力機関(IAEA)は、2050年の原子力発電量を少ない場合で現状維持、多い場合なら約倍増と予測しています。たとえ現状維持でも、必要量を確保するには、閉鎖される古いプラントの代わりに新しいプラントを建設する必要があります。このことからも分かるように、原子力産業界にはグローバルに活躍できる場がたくさんあります。また、日本の原子力技術は世界でもトップクラス。日本で学んで、世界で活躍する。原子力産業界なら、そんな先輩がたくさん見つかるでしょう。
企業には専門的な技術を持つ人も必要ですが、その技術を社会で役立てるには、企画や営業、経理、総務、広報、渉外、調達、法務など、さまざまな知識やスキルが必要になります。そういった業務分野には文系の先輩も多く、中にはキャリアを積んでいくうちに技術畑に移られた方もいます。いろいろな個性が必要です。ぜひ、原子力産業界で勝負してみてください。
原子力に直接関係する発電会社やメーカーの原子力技術部門でも、大学で原子力工学を学んだ人の割合は2割程度といわれています。というのは、例えば原子力発電所でも、原子炉以外に電気機器、制御機器、ポンプ、バルブ、タービン、建物・構築物など、さまざまな技術が必要だからです。あなたが学んだ専門知識を生かせる場がきっとあります。
IoT(Internet of Things)やAI(人工知能)を用いることで起きる技術革新「第4次産業革命」が目の前に迫っているといわれます。ただ、それらは実社会で活用してこそ!原子力にはまだまだ課題がありますが、逆に言えば、それだけ新技術で革新していく余地があるということ。エネルギーは社会の重要なインフラなので、イノベーションによるインパクトは非常に大きいと言えます。ぜひ若い力で革新してください。また、ロボットについても放射線が厳しい環境などで大活躍しているので、ロボットに興味がある方も大歓迎!