わたしたちの健康診断において核医学は欠かすことができない。ほとんどの「がん」を検出し、診断する際の最も正確な手法の1つであるPET(陽電子放出断層撮影)検査は、加速器で製造したアイソトープ(放射性同位体)をトレーサーとして利用している。
生命工学の研究者は放射性物質を用いて体内の特定の分子を分析する。この技術は、エイズやアルツハイマー病といった慢性疾患の研究において必要不可欠だ。
また放射線治療によってさまざまな「がん」やバセドウ病(甲状腺機能亢進症を引き起こす代表的な病気)などの疾患を治療することができる。「がん」の場合、ほとんどの悪性腫瘍は放射線に弱い。外部照射であれ内部照射であれ、「がん」のある部位に放射線を照射することによって「がん」を制御/除去することのできる治療方法が多数存在するのだ。
核反応の副産物であるコバルト60は、命に関わる危険なバクテリアを死滅させることができる。そのため、注射器やカテーテルといった医療機器を滅菌する際に、大変効果的である。