気候変動の影響は、世界的な飢餓の悪化、水不足、食糧不安から疾病蔓延、異常気象、生態系の破壊による公衆衛生への深刻な影響に至るまで、あらゆる場面で既に見られている。2030年までに1億人以上が極端な貧困に陥り、2030年から2050年の間には気候変動により毎年25万人が死亡すると予測されている。
原子力は全てのエネルギー源の中で最もカーボンフットプリントが小さいものの1つで、世界最大級の低炭素発電装置である。原子力を利用することによって毎年20億トン以上の二酸化炭素の排出が抑えられる。これは、世界を走る5億2,000万台の車の半分がなくなるのと同じである。
原子力エネルギーは気候変動による最悪の影響を回避する上で必要な割合に合わせて稼働させることができる。これは1970年代と1980年代に原子力が急速に拡大したフランスやスウェーデンなどで見られ、両国のエネルギーシステムにおける大規模な脱炭素化に貢献しただけでなく、持続的な経済成長ももたらした。