原子力産業新聞
14 海の豊かさを守ろう

原子力により
海洋酸性化をもたらす
二酸化炭素排出を回避できる

原子力の貢献
具体的には
海は化石燃料を燃やした際に排出されたCO2の約半分を吸収している
  • 二酸化炭素を発生させずに発電することで、化石燃料の燃焼による海洋酸性化の低減に役立つ。
  • 原子力技術は、海洋生態系の健全性をモニターするのに役立つ。

人類の活動が直接的な原因となり、世界中で海洋生物の多様性が大幅に減少している。

化石燃料による海洋の酸性化が海洋生物に悪影響を及ぼしている。特に、世界中のサンゴ礁が大きな危機に瀕している。サンゴ礁は海のオアシスとも呼ばれ、その面積は海底面積の1%未満であるにもかかわらず、海洋生物の実に25%以上がサンゴ礁に依存している。このサンゴ礁は数億もの人々に食糧を供給し、価値にして3,750億ドル(43兆円)以上ものリソースとサービス(仕事、食糧、嵐や浸食からの防護を含む)を毎年提供していると推定されている。

原子力は他の多くのエネルギー源とは違い、低炭素でかつ水路を汚染するような化学物質を放出しないことから、海洋の酸性化を緩和する上で大きな役割を果たすことができ、海洋の限りない生物多様性を保護することができる。

水中生態系を理解し、汚染を評価して、浄化技術や修復技術の有効性を検証する際にも、原子力技術とアイソトープ技術を活用することができる。これらの技術はこれまでの海洋酸性度の変化のほか、海洋の炭素吸収能力とこれが将来の気候に及ぼし得る影響を評価する際にも利用することができる。

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