弘前大、VR技術を利用した放射線測定トレーニングシステムを開発
30 Sep 2021
「ナップ:RIサーベイ」のイメージ(弘前大発表資料より引用)
弘前大学は9月30日、バーチャルリアリティ(VR)技術を利用した放射線測定トレーニングシステム「ナップ:RIサーベイ」を開発したと発表した。〈弘前大発表資料は こちら〉
学習者がVR画像上に表示される被検者に対し実際の放射線計測器を模擬使用して汚染箇所を特定する学習ツールで、放射線源を用いずに、器材の使用方法の体得から、複数の汚染箇所や立位での計測も実習できる。昨今の感染症拡大により対面での放射線測定実習が困難になっていることから、弘前大学では、VR上で実際に学習者が動作を伴って学べるツールの制作を構想。「ナップ」と呼ばれる体の動きをデータ化しVR上で可視化し共有する技術を利用し、今回のシステムが開発された。同学では、「目に見えない放射線を可視化したステージからステップアップしていく流れが組み込まれており、初学者は直感的に測るべき対象を意識することができる」と、高い学習効果を期待している。
開発に際しては、弘前大学大学院保健学研究科と、「ナップ」を用いたVR技術の応用を手掛けるイマクリエイト(株)とが協力。「ナップ」のメリットについて、「VR上に可視化された動きに自分の体をなぞるように動かすだけで誰もが正しく体を動かせるようになる」と、医療、伝統芸能など、様々な分野での可能性を述べている。物体の透過や速度調整など、現実にはあり得ない状況を模擬する機能で技術習得をサポートでき、実際、同社では、熟練者の動作を手本としスローモーションで練習できるけん玉のトレーニングシステムも開発している。