エネ研、2022年度の経済・エネルギー需給見通し
27 Dec 2021
日本エネルギー経済研究所は12月23日、2022年度の日本の経済・エネルギー需給見通しを発表した。
それによると、2022年度は、コロナの影響により落ち込んだ経済活動の回復が進み、実質GDP成長率は3.3%増と、2年連続で3%前後の増加となる見通し。実質GDPはコロナ以前を上回り過去最高となるとしている。
原子力発電については、新たに2基が再稼働して年度末時点の再稼働基数は12基となり、テロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の完成遅れで1基の停止期間が長引き、総発電電力量は2021年度見通しから6.2%増の718億kWhとなると想定(基準シナリオ)。
基準シナリオで、一次エネルギー国内供給は対前年度比0.4%増と、伸び率は前年の3.0%増より鈍化する見通し。そのうち、石油は対前年度比0.1%増、天然ガスは同2.4%減、石炭は同2.9%増、再生可能エネルギーは同4.8%増などとなっている。
エネルギー起源CO2排出量は、石炭やエネルギー用途の石油の増加で、対前年度比0.9%増の9億9,500万トンとなる見通し。
基準シナリオにおいて特重施設の未整備により停止期間が長引く1基、同じく再稼働しないと想定した2基の計3基が2022年度中稼働するとした「高位ケース」についても分析。それによると、基準シナリオに対し、化石燃料輸入額は1,700億円減、自給率は1.2ポイント増、エネルギー起源CO2排出量は700万トン削減となり、「個々のプラントに応じた適切な審査を通じた再稼働の円滑化が3E(エネルギーの安定供給、環境への適合、経済効率性)にとって重要」と述べている。