福島第一1号機格納容器内部調査、堆積物の床面高低差を確認
01 Jul 2022
ROV-Cによる1号機格納容器内部調査のイメージ(東京電力発表資料より引用)
東京電力は6月30日、福島第一原子力発電所の廃止措置進捗状況を発表。燃料デブリ取り出しに向けた取組として、1月より水中ROV(遊泳型ロボット)を用いて実施している1号機内部調査の状況が公表された。
5月に実施した調査で、ペデスタル(原子炉圧力容器下部の土台)の開口部壁面におけるテーブル状堆積物や、堆積物下部でコンクリートがなく鉄筋が露出していることが確認されたが、その後、ペデスタルの損傷に伴うプラントへの影響を考察した結果、地震により大規模な損壊に至る可能性は低いとしている。6月7~11日には、用途に応じ6種類ある水中ROVのうち、堆積物の厚さ測定を行う「ROV-C」によりペデスタル外周部13か所で測定を実施しており、これまでに3か所の評価を完了。それによると、原子炉格納容器底部からの堆積物厚さについては、ペデスタル開口部付近が約0.8~1.0mだったのに対し、X-2ペネと呼ばれるROV投入位置付近は約0.3mで、X-2ペネ付近に近付くにつれて徐々に低くなっていることが確認された。
1号機原子炉格納容器については、2017年3月にも自走式調査装置を用いた内部調査(ワカサギ釣りのようにスノコから計測ユニットをつり下ろす)が実施されている。今回の調査で測定された堆積物の厚さは、2017年の調査結果と比較しほぼ同じだった。今後、残る10か所の評価を行った上で、「ROV-C」に続く「ROV-D」による堆積物デブリ検知(核種分析など)、「ROV-E」による堆積物サンプリングに向けて、調査方針を検討することとしている。