原子力産業新聞

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NEMSが開講、12か国から24名

19 Jul 2022

NEMS研修生・関係者一同(東大本郷キャンパスにて)

「Japan-IAEA原子力エネルギーマネジメントスクール」(NEMS:Nuclear Energy Management School、主催=東京大学、日本原子力研究開発機構、原産協会他、共催=IAEA、実行委員長=出町和之・東京大学大学院工学系研究科准教授)が7月19日、開講した。

NEMSは、世界各国で将来、原子力エネルギー計画を策定・管理するリーダーとなる人材の育成を目的とした研修コース。日本での開催は10回目となる。前回の2021年はZOOMによるオンライン開催となったが、3年ぶりの対面開催となった今回、ブラジル、チェコ、エストニア、ガーナ、インドネシア、メキシコ、ポーランド、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、ベトナム、日本の各国から計24名の研修生が参加。8月5日までの3週間にわたり、東京大学本郷キャンパスを主会場に、講義、グループディスカッションに臨むほか、2週目にはテクニカルツアーとして福島県に移動。福島第一原子力発電所などを訪れ廃炉や復興の現状を視察する。

東京大学本郷キャンパスで行われた開講式では、ミカエル・チュダコフIAEA原子力エネルギー局事務次長がビデオメッセージを通じて挨拶。気候変動対策やSDGs達成における原子力エネルギーの重要性を述べた上、今回のNEMSが成功裏に行われるよう期待した。来賓挨拶に立った上坂充原子力委員会委員長(前NEMS実行委員長)は、昨今のウクライナ情勢がもたらしたエネルギー安全保障に係る世界的な危機を踏まえ、原子力の果たす役割を改めて強調。参集した研修生らに対し、原子力に携わる者として、科学技術だけでなく社会学・倫理の観点からも学ぶ重要性を訴えるとともに、原子力の将来に向けてNEMSが多国間のネットワーク構築にもつながることを期待した。

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