長崎大、NPT運用検討会議の全日程をブログ掲載
01 Aug 2022
「NPTブログ2022」発表会見の模様(左より、核兵器廃絶研究センターの中村准教授、鈴木教授、広瀬教授、多文化社会学部・西田教授、インターネット中継)
長崎大学核兵器廃絶研究センターは、8月1日よりニューヨーク国連本部で開幕する核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議で、26日までの全日程をカバーすべく同センタースタッフを現地に派遣する。会期中、論点整理や課題、意義などを簡潔にレポートする「NPTブログ2022」をウェブ上に掲載すると発表した。
開幕に先立ち、7月29日には、「第0号ブログ」として、NPT運用検討会議の注目ポイントなどを掲載。冒頭、昨今のロシアによるウクライナへの軍事侵攻により「核兵器使用リスクの急激な高まりは世界中の人々に不安と衝撃を与えている」と、危惧を示している。最終文書採択を含む8月24~26日にブログを担当する同センター副センター長の鈴木達治郎教授は、7月28日に長崎大学内で行われた記者会見で、核物質防護に関する議論に期待を寄せ、「原子力施設への攻撃禁止について、是非合意文書に入れてもらいたい」と述べた。
今回のNPT運用検討会議には、日本の首相としては初めて岸田文雄首相が出席し、一般討論演説などを行う。外務大臣在任中にも、2015年NPT運用検討会議に出席。折しも広島・長崎被爆70年の節目の年だったが、最終文書の合意には至らなかった。岸田首相は、就任後初となる2021年10月の国会における所信表明演説で、「核兵器のない世界」を目指し、「核兵器国と非核兵器国との橋渡しに努める」としている。これに関し、8月1~9日に主に核軍縮関連の議論でブログを担当する同センターの中村桂子准教授は、「岸田首相の演説を切り口に、これまでの枠を超えるような軍縮外交が展開されることを期待する」と述べた。
長崎大学の核兵器廃絶研究センターは、2012年の設立以来、「長崎を最後の被爆地に」との想いから、核兵器廃絶に焦点を当てた研究・教育の拠点として政策提言などを行ってきたほか、人材育成や市民交流にも取り組んでいる。同センターでは、今回、NPT運用検討会議でサイドイベントなどに参加する学生ら「ナガサキ・ユース代表団」によるブログも掲載していく。