政府、ALPS処理水取扱いに関し新たな行動計画決定
30 Aug 2022
福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水[1]トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水の取扱いに関して検討する関係閣僚会議は8月30日、「風評を生じさせないための仕組みづくり」、「風評に打ち勝ち、安心して事業を継続・拡大できる仕組みづくり」などを強化・拡充した新たな行動計画を決定した。
2021年4月に政府は「2年程度後にALPS処理水の海洋放出を開始する」ことなどを盛り込んだ基本方針を決定し、12月には、基本方針の着実な実行に向けた行動計画を策定。今回の新たな行動計画は、
- 風評を最大限抑制するための処分方法の徹底
- モニタリングの強化・拡充
- 国際機関等の第三者による監視および透明性の確保
- 安心が共有されるための情報の普及・浸透
- 国際社会への戦略的な発信
- 安全性等に関する知識の普及状況の観測・把握
- 安全証明・生産性向上・販路拡大等の支援
- 全国の漁業者に対する事業継続のための支援
- 万一の需要減少に備えた機動的な対策
- 風評の被害者の立場に寄り添う賠償
- 風評を抑制する将来技術の継続的な追及
の各対策について、これまで/今後1年間/中長期――の取組を整理。今秋には流通・小売事業者を対象に広くモニタリングの取組・データを知ってもらうシンポジウムを開催するほか、消費者の理解向上に向けて全国地上波のテレビCMなども活用し情報発信の強化を図る。
松野博一官房長官は、同日午前の記者会見で、「風評影響の払拭に向けて、徹底した安全性の担保とその見える化、全国大での安全・安心の理解醸成、事業者が安心して事業継続・拡充できると確信を深められるための支援、放出前後を通じ変わらずに地元産品の取引が継続される体制の構築などの対策を、政府一体となって早急かつ確実に進めていく」と述べた。
脚注
↑1 | トリチウム以外の核種について環境放出の規制基準を満たす水 |
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