浪江町・富岡町の拠点区域 避難指示解除へ
23 Mar 2023
避難指示区域の概念図(資源エネルギー庁発表資料より引用)
政府の原子力災害対策本部は3月22日、浪江町、富岡町に設定された「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)[1]帰還困難区域のうち市町村作成・国認定の計画に基づき居住を目指し除染やインフラ整備を推進する地域の避難指示を、それぞれ、3月31日午前10時、4月1日午前9時に解除することを決定した。復興拠点は福島県内6町村に設定。葛尾村、大熊町、双葉町では2022年6~8月に避難指示が解除された。残る飯舘村についても、今春の避難指示解除に向け地元への説明などが行われている。〈原災対策本部発表資料は こちら〉
今回、避難指示解除が決定されたのは、浪江町の津島地区・室原地区・末森地区(約661ha)、富岡町の夜の森・大菅地区(約390ha)。浪江町については2017年12月に、富岡町については2018年3月に、各町による「特定復興再生拠点区域復興再生計画」が国により認定された。浪江町では国の伝統工芸品に指定されている「大堀相馬焼」の窯元、富岡町では観光スポット「夜の森の桜並木道」を中心としたエリアが含まれ、指示解除により、それぞれ、伝統文化、観光資源を活かした地域の復興・再生が期待される。
22日の原子力災害対策本部会合では、浜通り地域の特色を活かした国際教育研究拠点として4月に設立予定の「福島国際研究教育機構」(本部施設は浪江町に設置)に関する関係閣僚会議の初会合も合同で行われた。
渡辺博道復興相は22日の閣議後記者会見で、「今般、避難指示解除を決定した浪江町、富岡町について、復興が円滑に進むよう取り組んでいく」と強調。同拠点区域外の避難指示解除についても、「2020年代をかけて帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、避難指示解除に向けた取組を進めていく」との基本方針のもと、今国会提出の関連法案の成立に万全を期すとした。また、「福島国際研究教育機構」については、「世界に冠たる『創造的復興の中核的拠点』として、研究開発や産業化、人材育成の取組を加速できるよう、関係大臣と連携しながら政府一丸となって支えていく」と述べた。
脚注
↑1 | 帰還困難区域のうち市町村作成・国認定の計画に基づき居住を目指し除染やインフラ整備を推進する地域 |
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