原子力産業新聞

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福島第一1号機 圧力容器底部付近の画像公開

03 Apr 2023

ペデスタル内、圧力容器底部方向を見上げた画像からCRD関連と思われる構造物を確認©東京電力

東京電力は3月31日、福島第一原子力発電所1号機のペデスタル(原子炉圧力容器下部の土台)内から原子炉圧力容器底部方向を見上げて撮影した静止画像を公開した。水中ROV(潜水機能付きボート型アクセス・調査装置、機能に応じ6種類ある)投入し撮影したもので、CRD(制御棒駆動機構)関連と思われる構造物を確認。カメラが同機ペデスタル内部に入ったのは初めてのこと。〈東京電力発表資料は こちら

1号機燃料デブリ取り出しに向けて、2021年度末より水中ROVを用いた原子炉格納容器内部調査が実施されており、これまでにペデスタル開口部付近で厚さ約0.8~1.0mの堆積物を確認している。今回、2022年度末までに予定された同調査の最終行程として、小型装置のROV-A2を初めてペデスタル内部にまで投入させ撮影に成功。3月28日からのROV-A2投入による調査では、30日までに円筒状のペデスタル内側の基礎部において、ほぼ半周にわたりコンクリートが溶け落ち一部配筋が露出していることが確認されている。1号機は、同じく燃料溶融が起きた2・3号機と比較して、溶融が激しいと解析されていたが、今回の調査結果はそれを裏付けることとなった。

ペデスタルの健全性に関して、同社では、過去に国際廃炉研究開発機構(IRID)が実施した耐震性評価により、「ペデスタルが一部欠損していても重大なリスクはない」とする一方、これまでに得られたデータをもとに引き続き調査・評価を継続していくこととしている。

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