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「統合イノベーション戦略2023」が閣議決定 核融合エネも

09 Jun 2023

中継を通じ「JT-60SA」現場を激励する岸田首相(左)と核融合デモの説明を行うQST・小安理事長(官邸ホームページより引用)

「統合イノベーション戦略2023」が6月9日、閣議決定された。

同戦略は、8日の総合科学技術・イノベーション会議(議長=岸田文雄首相)で議論。「先端科学技術の戦略的な推進」、「知の基盤と人材育成の強化」、「イノベーション・エコシステムの形成」の3つを機軸とし、フュージョンエネルギー(核融合)など、官民連携で推進していく9つの分野別戦略を盛り込んでいる。岸田首相は、「高市大臣(内閣府科学技術政策担当)のもと、関係府省が連携し、大胆な政策を、スピード感をもって一丸となって進めて欲しい」と述べた。

今回の総合科学技術・イノベーション会議は、量子科学技術研究開発機構(QST)が今秋の初プラズマ達成を目指すトカマク型実験装置「JT-60SA」の中央制御室(那珂研究所)と中継を結んで行われ、5月30日より統合試験運転を再開した現場を激励。核融合エネルギーに関するデモンストレーションも行われた。

会見を行う高市大臣(内閣府ホームページより引用)

「統合イノベーション戦略2023」には、産業界も交えた議論を通じ4月に取りまとめられた「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を踏まえた核融合エネルギー分野の今後の取組方針も記載。高市早苗大臣は、9日の閣議後記者会見で、「発電に至るまで、日本の技術の強みをいかに活かしてビジネスにつなげていくか」と、核融合エネルギーの産業化の意義を強調し、「政府の司令塔として着実に戦略を実行していきたい」と述べた。

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