原子力産業新聞

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NUMO 若い世代に向けてウェブCM公開

17 Aug 2023

CM撮影に臨む新沼さん(左)と来栖さん(NUMO発表資料より引用)

原子力発電環境整備機構(NUMO)は8月15日、長期にわたる地層処分事業への関心喚起を図るため、若い世代に向けたウェブCM「平成から令和へ『地層処分篇』・『NUMOの技術力篇』」(各篇30秒と60秒の2バージョン)を公開した。

今回、NUMOが制作したウェブCMは、とある高校の教室が舞台。2000年(平成12年)10月18日から、2020年(令和2年)10月18日へと「20年後にタイムスリップ」する。授業が始まる前の生徒たちの雑談風景に出てくるメディアは、手帳に貼られたプリクラからスマートフォンの画像に、MDプレーヤーからワイヤレスイヤホンへと替わる。こうした「平成から令和へ」の移り変わりを演出し若い世代の関心を引き付けているのも見どころ。撮影風景・出演者のコメントも合わせて公開されており、その中で、2000、2020年と、2つの世代の女子生徒を演じた感想をモデルの新沼凛空さん(15歳)は、「リラックスした状態で撮影に臨めた」などと話している。

CMの最初の場面「2000年10月」はNUMOが発足し、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向け取組が具体化し始めた頃だ。「平成の先生」を演じた「てぃ先生」(現役保育士)は、「原子力発電、エネルギー政策、高度経済成長」と板書し、「みんなの暮らしが大きく変わった」と生徒たちに語りかける。続く場面「2020年10月」は、処分地選定に向けた文献調査に関し北海道寿都町・神恵内村が応募・受諾。処分地選定のプロセスが動き出した頃だ。「令和の先生」を演じたモデルの越智ゆらのさんは、「原子力発電で使い終えた燃料のうち、再利用できない約5%が高レベル放射性廃棄物となる」と説明。そこで、モデルの来栖あに華さん(14歳)演じる生徒が、地層処分について調べたレポートを示し、「次の世代のために、いま考える。」と、NUMOからのメッセージを送る。来栖さんは、「地層処分はまだ日本で知られていない。このCMをきっかけにどんどん広まって欲しい」と話している。

NUMOがCMを制作するのは、2010年度以来。東日本大震災以前は、女優の鈴木杏さん他を起用したテレビCMが放映されていた。

NUMOでは、地層処分事業の理解に向け動画を通じた情報発信を強化している。今回のウェブCMで先生役を演じた越智さんも出演するマイナビニュースとのタイアップ番組「竹山家のお茶の間で団らん 家族旅行」シリーズでは、日本原燃の六ヶ所原子燃料サイクル施設とともに、地元のグルメ・観光スポットを紹介している。

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