原子力産業新聞

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設備利用率が新規制基準施行後初の3割超え

15 Sep 2023

原子力発電所の設備容量と利用率の推移(新規制基準をクリアした再稼働開始後、原子力産業新聞調べ)

原子力産業新聞が電力各社から入手した毎月のデータによると、国内原子力発電所の設備利用率は2023年8月、33.2%となり、2013年7月の新規制基準施行後、初めて30%を超えた。

国内の原子力発電所は、2011年3月の福島第一原子力発電所事故後、順次停止し、一部政治判断による再稼働はあったものの、2013年9月~15年8月のおよそ2年間にわたり全基停止の状態が続いた。

新規制基準の施行後は、九州電力川内1・2号機が先陣を切って、それぞれ2015年8、10月に再稼働。その後、2018年にかけて、関西電力高浜3・4号機、同大飯3・4号機、四国電力伊方3号機、九州電力玄海3・4号機が新規制基準をクリアし運転を再開。以降、新たな再稼働は滞り、司法判断や新規制基準で要求されるテロなどに備えた「特定重大事故等対処施設」(特重施設)の設置期限満了に伴う停止も加わり、設備利用率の低迷する時期がみられた。

一方で、2021年6月には、3年ぶりの新規再稼働となる関西電力美浜3号機が国内初の40年超運転として発電を再開。2023年8月には同高浜1号機が、これに続いて40年超運転入り。同2号機も3基目の40年超運転に向け9月15日に原子炉を起動した。各プラントの特重施設整備も進んでおり、今春以降、設備利用率が徐々に回復してきている。

これまでに再稼働(発電再開)したプラントは、計11基・1,078.2万kWで、いずれもPWR。今後、BWRについても、近時では、東北電力女川2号機、中国電力島根2号機の、それぞれ、来春、来夏の再開が見込まれている。

*月ごとの原子力発電所運転状況は、こちら をご覧ください。

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