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秋の叙勲 元文科相の中山氏が旭日大綬章

06 Nov 2023

旭日大綬章を受章する中山氏(2005年10月、原子力機構設立記念式典にて)

政府は11月3日、秋の叙勲受章者を発表した。旭日大綬章を、元文部科学相の中山成彬氏、元石川県知事の谷本正憲氏、元経済産業相の鉢呂吉雄氏らが受章する。

中山氏は、2004~05年に文科相を務め、科学技術行政では、日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構の法人統合による日本原子力研究開発機構設立、むつ市の中間貯蔵施設立地計画に係る地元対応、ITER(国際熱核融合実験炉)計画を国内施設での研究開発を通じ補完・支援する「幅広いアプローチ(BA)」活動の推進などで尽力。原子力機構法案の国会審議では、「エネルギー資源の乏しいわが国において、高速増殖炉を中核とする核燃料サイクル事業は重要であり、立地地域の協力を得ながら、円滑に進めていきたい」と、明言した。

谷本氏は、石川県知事を1994~2022年、7期・28年(期数では京都府・蜷川虎三知事〈1950~78年在任〉と並び歴代都道府県知事で3位)にわたり務め、在任中は、中部電力他より申し入れられた珠洲原子力発電所建設計画の凍結や、2007年に発覚した北陸電力志賀原子力発電所1号機における臨界事故など、原子力利用に係る厳しい局面にも対応しながら、地域の産業振興に尽力。鉢呂氏は、2011年の東日本大震災発生後、経産相を務め、福島第一原子力発電所の事故収束で指揮を執ったほか、エネルギー政策の建て直しに先鞭をつけた。

この他、旭日重光章を元鹿児島県知事の伊藤祐一郎氏、瑞宝重光章を元文部科学審議官の田中壯一郎氏、元文部科学事務次官の森口泰孝氏らが受章する。

会談に臨む伊藤鹿児島県知事(左)と今井原産協会会長(いずれも肩書は2007年当時)

伊藤氏は、2004~16年に鹿児島県知事を務め、九州電力川内原子力発電所に係る安全・防災対策で地元の立場から指導力を発揮。2007年には日本原子力産業協会の今井敬会長(当時)と、将来の原子力開発の展望を巡り会談を行ったことがある。森口氏は、旧科学技術庁で動力炉開発課長として、「もんじゅ」事故後の原子力行政建て直しで手腕を発揮。2001年の中央省庁再編後は、文科省の科学技術関連部局の審議官・局長などを歴任し、事務次官退任後は、東京理科大学副学長として高等教育の発展にも貢献した。

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