東京・新橋駅前広場で「ホタテ祭り」
01 Dec 2023
ホタテ浜焼きの実演を行う東京電力・小早川社長
北海道・三陸・福島の復興を応援する「ホタテ祭り」が11月30日と12月1日の両日、東京・JR新橋駅西口SL広場で開催された。2日間の「緊急プロジェクト!」と題する同イベントの会期初日には、グループ総力を挙げて国産水産品の消費拡大に努める東京電力の小早川智明社長が駆けつけ、出店ブースでの試食や、「殻付きホタテの浜焼き」の調理・販売に当たった。
福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水の海洋放出が開始されてから3ヶ月が経過したが、中国による日本産水産物の輸入停止措置の影響は深刻で、中国向けの水産物の輸出額が前年同月を90%余り下回る状況が続いている。特に大きな影響を受けている北海道・三陸産ホタテの消費拡大を呼びかけるとともに、福島県産の魚介類「常磐もの」を使ったメニューや、地酒・地ビールなどを提供し東日本大震災からの復興を後押しするのがねらい。
イベントには近隣の商業施設「ニュー新橋ビル」や新橋二丁目烏森町会も協力。周辺は、ホタテの他、カニ味噌甲羅焼、ポーポー焼き(サンマのすり身に味噌と薬味を混ぜて団子にした漁師飯)など、香ばしさが漂い、人気のブースには行列ができるほどとなり、多くの仕事帰りの人たちが立寄り賑わった。入場無料。12月1日の午後8時まで。
なお、農林水産省、経済産業省らは12月1日、これまで主に中国でなされてきたホタテの加工作業を、ベトナムで実施するなどの新たな支援策を発表。これまで中国で殻むき加工がなされてから米国に輸出されていたホタテについて、ベトナム等で殻むき加工を行って米国に輸出するルートの構築を進めており、農林水産省は先月からベトナムの水産加工施設で、輸出に必要な衛生条件を満たすかどうかの調査を行っている。今月上旬にはベトナムで商談を希望する事業者の募集を開始しているほか、販路拡大に向け、福島県や北海道などの産地に海外バイヤーを招き、商談の場を設けることも計画中。宮下農水大臣は、国内の消費も拡大していることから「中国などによる禁輸措置のダメージを乗り越えつつある」と述べている。