電事連がプルトニウム利用計画 事業者間の連携促進も
20 Feb 2024
電気事業連合会は2月16日、新たなプルトニウム利用計画を策定し発表した。2024~26年度の3年間における電力11社のプルトニウム利用量を取りまとめ示したもの。このほど、かねてより準備が進められていた四国電力と九州電力が英国に保有するプルトニウム1.7トンと、東北、東京、中部、北陸、日本原子力発電の各電力(いずれもMOX燃料装荷は未実施)がフランスに保有する同量のプルトニウムを交換する枠組みについて、会社間の契約が正式に締結されたことから、今回のプルトニウム利用計画では、この交換分の利用を一部織り込んでいる。
電事連の池辺和弘会長は、同日の定例記者会見で、「2030年度までに少なくとも12基の原子炉でMOX燃料を装荷・利用する」という従前からの方針をあらためて強調。使用済燃料を再処理して、プルトニウムを回収し加工したMOX燃料を軽水炉で再び利用することで、資源の有効利用のみならず、「利用目的のないプルトニウムは持たない」という国の政策にも対応する。九州電力と四国電力はフランスに保有しているプルトニウムを使い切っており、玄海3号機は今月にMOX燃料の使用を停止し、伊方3号機でも今後はMOX燃料の使用を一時停止する予定だったが、今回のプルトニウム交換の枠組みによりMOX燃料を活用していく予定。また、九州電力がフランスに保有する01.トンも、プルトニウム利用促進のため、自社のMOX燃料加工に利用し、東京電力と中部電力が代替譲渡することで合意。当該分は電源開発に譲渡されることとなる。
今回、発表されたプルトニウム利用計画で、電力11社のプルトニウム所有量は2024年度で計40.1トン。2025年度以降は、六ヶ所再処理工場・MOX燃料加工工場の操業も想定し、2026年度のプルトニウム所有量は41.4トンと見込まれている。
なお、プルトニウム保有量の減少に向けた事業者間の連携・協力に関しては、原子力委員会が策定した「わが国におけるプルトニウム利用の基本的考え方」(2018年7月)の中でも指摘されている。