原子力産業新聞

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北海道電力 泊に高さ19mの新たな防潮堤設置へ

26 Mar 2024

石川公一

新たな防潮堤の設置イメージと構造

北海道電力は3月22日、泊発電所の津波対策として、新たな防潮堤の設置工事を3月28日より開始すると発表した。〈北海道電力発表資料は こちら

新たな防潮堤は、海抜高度19.0m、延長約1,200m、最大幅30mで、地中の強固な岩盤に直接支持させる安全性の高い「岩着支持構造」を採用。総工事費約1,800億円を投じ、「現状考え得る工程短縮方策を織り込み、工事着工後3年程度での完成」を目標とし、さらに少しでも早い完成を目指し取り組んでいく。

泊発電所は現在、2012年5月に3号機が定期検査入りして以来、1~3号機すべてが停止中。新規制基準の適合性に係る審査については、2013年7月の施行直後に全号機そろって申請された後、既に10年以上が経過している。

同社では、福島第一原子力発電所を襲った津波と同等の浸水高さ15mの津波にも敷地への浸水を防止すべく、2012年8月より、泊発電所敷地前面の海岸部全域にわたり海抜高度16.5m、延長1,250mの防潮堤の建設に着手。2014年12月に完成している。

3号機に関しては審査が先行して進捗。その中で、重大事故対処など、プラント関連の審査はほぼ終了したものの、日本海東縁部に想定される津波や火山への対策など、自然ハザードに係る論点が残されている。北海道電力では、耐津波設計方針として、「安全性をより一層高める」観点から、既設防潮堤の撤去工事を2022年より開始し、地盤の地震による液状化の影響を考慮した新たな防潮堤を設置することとした。2024年2月までに、原子力規制委員会に対し防潮堤の設計方針・構造成立性評価結果について説明し基本構造を確定した。

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