柏崎刈羽の核物質防護 IAEA専門家ミッションが終了
03 Apr 2024
IAEAミッションが終了し謝意を述べる柏崎刈羽原子力発電所・稲垣所長(右手はIAEA専門家)
東京電力柏崎刈羽原子力発電所で3月25日より実施されていた、国際原子力機関(IAEA)による専門家ミッションの全日程が、4月2日に終了した。同ミッションは、IAEA主導のもと、国際的な専門家で構成されたチームが、加盟国内の事業者が有する原子力施設、その活動について、国際基準に照らして評価・助言を行うもの。
柏崎刈羽原子力発電所では2023年12月27日、原子力規制委員会による「特定核燃料物質の移動を禁ずる是正措置命令」が、規制上の対応区分変更に伴い解除となった。今回、東京電力が受け入れたミッションは、核物質防護の国際専門家により、主にその設備面および運用面の改善に向けた同社の取組についてチェックを受け、継続的改善につなげていくのが目的。来日した5名の専門家らは期間中、ヒアリングや現場の視察を実施。最終日の4月2日、稲垣武之・柏崎刈羽原子力発電所長らとのミーティングに臨んだ。
その中で、稲垣所長は、専門家ミッションによる助言に関し、「重要な意見として所員全員で受け止め、今後はこれらのアドバイスに基づきIAEAの国際基準に沿って、当社の核セキュリティを強化していく」と述べた。ミッションの一員であるテクニカルオフィサーのタパニ・ハック氏は、2018年に日本が受け入れた国際核物質防護諮問サービス(IPASS[1] … Continue reading)を振り返り、「核物質防護システムの幾つかの分野で継続的な改善がなされていることを確認した」と評価。柏崎刈羽発電所において核物質防護事案が発生した2020年以前とも比較して、改善が進んでいると認められた形となる。
今ミッションの最終報告書は数週間後に取りまとめられる見通し。
脚注
↑1 | IAEAが加盟各国の核セキュリティ強化のため勧告や助言を行うもので、日本では2015年に初めて受け入れられ、2018年にフォローアップミッションが行われた。 |
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