原子力産業新聞

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国内原子力発電 2023年度設備利用率は28.9%

16 Apr 2024

石川公一

原子力産業新聞が電力各社から入手したデータによると、2023年度の国内原子力発電所の平均設備利用率は28.9%、総発電電力量は840億5,506万kWhで、それぞれ対前年度比9.6ポイント増、同49.9%増となった。いずれも新規制基準が施行された2015年度以降で最高の水準。

2023年度は、関西電力高浜1・2号機が、それぞれ8、9月に発電を再開し、国内で再稼働したプラントは、いずれもPWRで、計12基・1,160.8万kW。国内の40年超運転は、両機の再稼働により、同美浜3号機と合わせ計3基となった。関西電力では、美浜3号機の安全な長期運転に対し客観的に国際的評価を受けるべく、IAEAのSALTO(発電所の経年劣化管理などの活動がIAEAの安全基準に満足しているかを評価する支援プログラム)チームを受け入れ、4月16日に同25日までの予定で調査が開始されたことを発表。今回の調査で得られた知見を、今後のプラント設計や設備保全に反映し、原子力発電所の安全性・信頼性向上に取り組んでいく。〈関西電力発表資料は こちら

最も高い設備利用率を記録したのは、九州電力玄海4号機で99.8%。同機は3月27日に定期検査入りし、年度内のフル稼働には至らなかった。同川内1号機がこれに次いで99.6%。新規規制基準をクリアし再稼働の先陣を切った川内1・2号機は、それぞれ2024年7月、2025年11月に法令で定める40年の運転期間を満了するが、いずれも20年間の運転期間延長に向け、原子力規制委員会による認可が2023年11月に発出された。両機とも2024年3月の設備利用率はそろって107.7%を記録し好調だ。

*2023年度の各プラント運転実績は こちらす。

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