原子力産業新聞

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ミス・アメリカが日本の学生と交流

09 May 2024

石井敬之

近畿大学東大阪キャンパスにて

第57回原産年次大会に合わせ来日したグレース・スタンケ氏が、京都および大阪で日本の学生と交流。エネルギー問題や原子力分野の研究に取り組む日本の学生たちに、エールを送った。

スタンケ氏は4月より米コンステレーション社の燃料設計エンジニアとして勤務しているが、以前はウィスコンシン大学マディソン校で原子力工学を学びながら、原子力の重要性を訴えてミス・アメリカ2023として活動。世界中の環境・原子力関連のイベントに登壇するだけでなく、ソーシャルメディアを駆使して幅広く次世代層に原子力をアピールしている。Instagramのフォロワー数が3万近いインフルエンサーでもあるスタンケさんに、Wall Street Journal紙が付けたニックネームは、“new face of nuclear energy”。現在も、勤務時間外にボランティアで次世代層との対話を実践している。

京都では京都教育大学附属京都小中学校を訪問。同校は「総合的学習の時間」を利用して、生徒が自主的に地層処分問題やエネルギー問題に取り組んでおり、スタンケ氏の訪問にあたっては中学生が英語で、自分たちの活動をプレゼン。その後、意見交換を行った。スタンケ氏は「子供たちから、もっともっと学びたいという強い熱量を感じた。エネルギーの未来がどうあるべきかについて、自分の意見や考えを持つだけでなく、多様なエネルギーについて自発的に学ぶ姿はとてもエキサイティングだ」と驚いた様子だった。

大阪では近畿大学原子力研究所を訪問。熱出力1Wの研究炉UTR-Kinkiを見学し、学部学生らと交流会を行った。ここでは原子力分野でのキャリア形成などが話題となり、スタンケ氏は自分が原子力分野を選んだ経緯など具体例をあげ、学生の悩みに真剣に回答。特に女子学生からの「原子力分野に就職しようとすると、親や友達から反対される」との悩みに対しスタンケ氏は、「周囲に引きずられないこと。自分の信じる道を進むべき!」と力強くアドバイスしていた。

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