原子力産業新聞

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日立製の新たなX線治療装置「OXRAY」が治療開始

09 Jul 2024

石川公一

成田記念病院に納入された「OXRAY」

日立ハイテクは7月9日、同社が成田記念病院(愛知県豊橋市)に納入した画像誘導型高精度X線治療装置「線形加速器システム OXRAY」による治療が開始されたと発表した。「OXRAY」では、初めての臨床使用となる。〈発表資料は こちら

「OXRAY」は、日立グループが培ってきた照射技術と画像技術を統合し、2023年7月に国内販売を開始した新しい画像誘導型高精度X線治療装置で、装置の回転に自由度を高めた「O-リング型ガントリー構造」が特長。正常組織へのダメージを低減し、呼吸などに合わせて動く腫瘍に対し高い精度で治療用X線を照射することが可能なほか、患者寝台を動かすことなく多方向から連続的に照射でき、線量分布の改善とともに、患者の精神的・身体的負担の軽減にもつながる。成田記念病院では、こうした「OXRAY」の特長を評価し導入。2024年6月17日より治療を開始した。

日立では、放射線治療領域において、粒子線とX線の両方で事業を展開。粒子線治療では、これまで陽子線がん治療システムで多くの海外納入実績を積んでおり、呼吸に伴う臓器の動きを捉える動体追跡技術や、がんの形状に合わせて照射できるスポットスキャニングなど、革新的技術を開発し市場に投入してきた。今後も、「『がんを恐れることのない社会』に向けて、患者一人ひとりに寄り添った、低侵襲かつ経済性に優れた放射線治療システムを提供し、患者のQOL(Quality of Life)の維持・向上と、がん治療のさらなる発展に貢献していく」としている。

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