原子力産業新聞

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東京電力が新橋で水産物のPR 今日まで

26 Jul 2024

石川公一

「ホタテ応援隊」のブースに立つ小早川社長

福島第一原子力発電所で発生するALPS処理水の海洋放出が開始して、間もなく1年。一部の海外諸国による日本産水産物の輸入停止措置などを踏まえ、東京電力では、全国各地でのイベントや販売促進会、社内販売などを通じ、全社員・全グループが一丸となって国産水産物の消費拡大に取り組んでいる。一方、北海道では2024年上半期の水産物輸出額が前年同期比で半減しており、依然として厳しい状況だ。

こうした中、同社はこのほど、東京・JR新橋駅前SL広場を中心に毎年開催される「新橋こいち祭」に初めて出店。7月25、26日の期間中(両日とも、15時~20時30分)、「常磐もの」を使った「さんまのポーポー焼き」(サンマのすり身に味噌と薬味を混ぜて団子にした漁師飯)や福島の酒を提供する「発見!ふくしま」の他、昨年11月にSL広場で行われた復興応援イベント「ホタテ祭り」でも盛況だった「ホタテ応援隊」のブースを設け、福島県・北海道の美味を振る舞う。

開催初日の25日には小早川智明社長が応援に駆け付け、「ホタテ串焼き」の調理・販売に当たった。「ホタテ応援隊」のブースは、JR新橋駅日比谷口を出てすぐ。駅のコンコースにも香ばしさが漂う。15時の開場後、小早川社長がブースに立った16時半頃には、ホタテを求める来場者の列ができ、仕事帰りの人たちが繰り出す19時半過ぎには既に売り切れとなる人気ぶりだった。

ブース対応後、取材に応じた小早川社長は、これまでの国産水産物販売支援に対する謝意を繰り返し強調。7月16日に通算7回目(今年度3回目)を完了したALPS処理水の海洋放出については、「これからもしっかりと安全を第一に進めていき、海域の放射能測定データを示していく」と述べた。会場内、C11形SLの脇に設置された温度計は34℃。17時頃からは小雨がぱらつきながらも、さらに賑わいを増し、「かにみそ甲羅焼き」、「うに貝焼」の他、福島特産の桃を用いたアイス「ふしぎなピーチバー」(竹内まりやのヒット曲に因んだ命名)など、様々な美味が食欲をそそった。同氏は、まず「食べてもらう」ことと強調し、今後も着実に応援していく姿勢を示した。

「新橋こいち祭」は、バブル崩壊後の90年代半ば、新橋界隈に務めるサラリーマンらに「“小一”時間楽んでもらう」思いで地元商店会が始めたもの。近年では、若者連れも多く、27回目となる今回、2日間で約14万人の動員を見込む。

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