原子力マネジメントスクール 15か国が参加
26 Aug 2024
将来のリーダーシップ発揮が期待される国内外の若手人材を対象とした研修コース「Japan-IAEA 原子力マネジメントスクール(NEMS)2024」が8月20日、開講した。ブラジル、ブルガリア、エストニア、ガーナ、インド、ヨルダン、カザフスタン、マレーシア、フィリピン、ポーランド、サウジアラビア、スロバキア、スロベニア、ベトナムの海外14か国および日本から、32名(うち日本人13名)の研修生が参加。9月6日までの約3週間にわたり、東京大学本郷キャンパスでの座学、テクニカルツアーなどを通じ、原子力に関連する幅広い課題について学ぶ。
NEMSは、2010年にイタリアで始まり、今回、日本での開催は12回目。ホスト機関の原子力人材育成ネットワーク、東京大学大学院工学系研究科、日本原子力研究開発機構、日本原子力産業協会、原子力国際協力センターは、2023年までに海外も含めた計52回の開催で「104か国から2,000人以上が参加した」と、NEMSの実績を評価している。今回、開講式で挨拶に立ったNEMS2024実行委員長の出町和之・東京大学大学院工学系研究科准教授は、NEMSのメリットとして、講義やグループワークを通じ、最新の知見が得られることに加えて、研修生同士の親睦形成も強調。日本開催は2020、21年と、新型コロナの影響により延期・オンライン併用となったが、例年、研修期間は暑さの厳しい時期に当たることを踏まえ、今回も健康管理に留意し楽しく学んでもらうよう期待した。
IAEAからはヘレナ・ジヴィツカヤ知識管理専門官らが挨拶に立ち研修生らを歓迎。原産協会の増井秀企理事長は、原子力人材育成ネットワーク運営委員会委員長の立場からも、「原子力エネルギー計画を成功裏に進めるための最も重要な要素」と、人材育成の重要性を述べ、研修生らに対し、「皆のコミットメント、積極的な参加姿勢、学ぶ意欲」が求められていると期待を寄せた。今回もテクニカルツアーで、研修生一行は福島第一原子力発電所他を見学するが、これに関し、NEMS前実行委員長で原子力委員会委員長を務める上坂充氏は「大変重要な機会だ」と述べ、実際に現場を自分の目で見て話し合う意義を強調した。