原子力産業新聞

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むつ中間貯蔵施設が事業開始

07 Nov 2024

石川公一

むつ中間貯蔵施設のイメージ

原子力規制委員会は11月6日、リサイクル燃料貯蔵(RFS)が青森県むつ市に立地する「リサイクル燃料備蓄センター」(むつ中間貯蔵施設)について、使用前確認証を交付。同施設は、事業開始となった。

むつ中間貯蔵施設は、原子力発電に伴い発生する使用済み燃料(東京電力、日本原子力発電)を、再処理するまで、最長50年間(順次設置する施設ごと、キャスクごと)、安全に貯蔵・管理するもの。使用済み燃料を再処理し、回収されるプルトニウムをMOX燃料として加工した上で、有効利用する核燃料サイクルの推進は、わが国のエネルギー政策の基本的な方針だ。

1990年代後半、使用済み燃料貯蔵対策について、長期的な貯蔵量の増大を見通し、官邸レベルでも議論されるようになり、サイト外貯蔵に関しては、「2010年までに確実に操業開始できるよう、国および電力事業者は直ちに所要の制度整備、立地点の確保等に取り組むことが必要」との報告書がまとめられた。2000年には、むつ市より東京電力に対して立地に係る技術調査の依頼があり構想が具体化。2003年には、過日逝去した同社・勝俣恒久社長(当時)に対し、立地要請がなされた。その後、施設の建設工事が進捗するも、2011年の東日本大震災発生により停滞。原子力規制委員会が発足し、新規制基準施行を踏まえ、RFSより同委に対し2014年1月に事業変更の許可申請がなされ、審査を経て2020年11月に許可となった。RFS 他事業者は2024年8月、青森県およびむつ市との間で、むつ中間貯蔵施設に係る安全協定を締結。9月26日には、東京電力柏崎刈羽原子力発電所より、使用済み燃料を入れたキャスク1基の搬入がなされた。

今回の事業開始後、2025、26年度にそれぞれ2基、5基のキャスク搬入が予定されている。

RFSでは、「安全最優先で事業に取り組むとともに、事業の透明性を高め、地域に根差した事業運営に努めていく」とコメント。また、東京電力も2000年からの調査に対し、立地地域による理解・協力への謝意を表した上で、「サイクル全体の運営に柔軟性を持たせ、中長期的なエネルギー安全保障に寄与する」と、施設の意義を強調し、引き続きRFSを支援していくとしている。

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