原子力産業新聞

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福島第一2号機 燃料デブリの試験的取り出し完了

08 Nov 2024

石川公一

燃料デブリの詳細分析を行う日本核燃料開発の電子顕微鏡

東京電力は11月7日、福島第一原子力発電所の2号機において、燃料デブリの試験的取り出しを完了した。〈東京電力発表資料は こちら

廃止措置ロードマップで、いわば「本丸」となる燃料デブリ取り出しの初号機とされる2号機については、原子炉格納容器(PCV)の内部調査に向けて、英国との協力で開発したロボットアームの導入を予定している。今回、試験的取り出しのため、テレスコ式装置(短く収納されている釣り竿を伸ばすイメージ)を、PCVにアクセスする貫通孔の一つ「X-6ペネ」から挿入。8月22日にガイドパイプが挿入されたが、接続の手違いにより一旦作業が中断した。

9月10日に、パイプの復旧作業および現場確認が完了し作業を再開。同日、「テレスコ装置の先端治具が隔離弁を通過した」ことで、試験的取り出し作業が開始となった。その後、同装置先端部のカメラからの映像が遠隔操作室のモニターに適切に送られていないことが確認されたが、10月24日にはカメラ交換作業を完了し、28日に試験的取り出し作業を再開、30日に燃料デブリに到達することができた。

試験的取り出しで採取した燃料デブリは、日本原子力研究開発機構大洗研究所などの構外分析施設に輸送し、詳細分析が行われる。同研究所に隣接する日本核燃料開発では既に電子顕微鏡などを用いた分析準備も進められており、分析結果は、今後の本格的取り出しに向けた作業計画の立案や、従事者への教育・訓練にも資することとなる。今回の燃料デブリの試験的取り出し完了を受け、武藤容治経済産業相は11月8日、閣議後の記者会見の中で、「より本格的な廃炉作業を迎える中で重要な一歩となる」と、その意義を強調。加えて、今後の分析を通じ廃炉進捗に資する情報・知見の取得を期待するとともに、東京電力に対しては、引き続き安全確保に万全を期し作業を進めていくよう求めた。

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