原子力産業新聞

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規制委 革新軽水炉導入を見据え事業者らとの意見交換開始

10 Dec 2024

石川公一

原子力規制委員会は12月9日、電力事業者・メーカーを招き革新軽水炉の規制に係る技術的意見交換会の初会合を開いた。〈資料は こちら

同委では随時、電力関係の原子力部門責任者と技術面での意見交換を行うCNO会議を行っている。今春からは三菱重工業が開発を進めている革新軽水炉「SRZ-1200」を中心に、新型炉の導入に向けた規制対応が焦点となってきた。

「SRZ-1200」は、「超安全」(Supreme Safety)、「地球に優しく」(Zero carbon & Sustainability)、「大規模な電気を安定供給」(Resilient light water Reactor)がコンセプト。現行規制基準の理念を踏まえ、「さらに新たな安全メカニズムを取り入れて、地震・津波の他、自然災害への対応、大型航空機衝突・受動的安全システム等の安全対策」を図ること目指し、基本設計が進んでいる。

今回の意見交換では、第1ラウンドとして、このような安全対策を中心に、原子力エネルギー協議会(ATENA)の佐藤拓理事他、原子力発電所を有する各電力会社のグループリーダー・課長クラスが出席し説明。原子力規制庁の技術基盤グループらが、今後の規制対応に係る課題を指摘するなどした。

佐藤理事は、PWRを有する電力事業者4社と三菱重工とで開発を進めている「SRZ-1200」について、「設計がかなり進んできたが、この先を進めるに当たっては、予見性が不明確な部分がある」と、事業者としての規制面での問題点を強調。さらに、現在検討が進められている次期エネルギー基本計画を見据え、「原子力を一定程度確保する必要があり、新しい原子炉を開発していかねばならない」とした上で、産業界として、今後の新型炉に係る規制対応を議論していく必要性を述べた。

メーカー側からは、三菱重工原子力セグメントSRZ推進室長の西谷順一氏が、技術的観点から説明。シビアアクシデント対策やテロ対策に備えた「特定重大事故等対処施設」との関連について、「合理的範囲での設計思想」を図る必要性を述べたほか、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、「これまで想定されていないような溶融炉心残存についても冷却水の注水を継続する」として、より厳しい事象に対しても安全対策の強化に努めていく姿勢を強調した。

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