原子力産業新聞

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「原子力サプライチェーンシンポジウム」開催

11 Mar 2025

石川公一

ポスターセッションの模様、コーヒーブレークを兼ね交流の場となった

経済産業省資源エネルギー庁と日本原子力産業協会は310日、国内原子力関連企業による海外展開や事業承継、人材育成支援など、原子力サプライチェーンの維持・強化策について議論する原子力サプライチェーンシンポジウム」を都内ホールで開催した。会場・オンライン合わせて約600名の参加があった。 

開会に際し、ビデオメッセージを寄せた武藤容治経産相は、先月閣議決定された第7次エネルギー基本計画に言及し、既設炉の再稼働と運転期間延長を最重要課題にあげたほか将来の次世代革新炉の開発に向けて、「サプライチェーンと人材確保は必須の課題」と述べ、同シンポジウムの開催意義を強調した 

毎年3月に開催されている同シンポジウムは今回で3回目となる。2023年に経産省より「原子力サプライチェーンプラットフォーム」(NSCP)の設立発表に合わせ開催され、2024年の開催時には、来日中だったR.M.グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長も出席するなど、海外からも注目を集めている。NSCP設立以降、経産省では、国内サプライヤーからなる視察団の海外派遣、セミナー・意見交換会・座談会の開催、原子力関連企業約400社を対象としたヒアリングなど、原子力人材育成支援も含めた支援策を積極的に展開している。 

「原子力産業の現在と未来」と題するセッションでは、総合資源エネルギー調査会革新炉WGの座長を務める斉藤拓巳氏(東京大学教授)、電気事業連合会副会長の佐々木敏春氏がそれぞれの立場から事業の予見性確保の重要性を強調した。 

パネルセッションは、近藤寛子氏(マトリクスK代表)がファシリテーターを務め、大手メーカーの他、中小サプライチェーン企業からもパネリストが登壇し、次世代革新炉の開発・建設に向けた取組、供給途絶対策、国際連携、人材確保・育成について議論。同じく登壇した経産省と文科省の担当課長は、省庁が連携した取組の重要性を強調した。 

今回もポスターセッションが行われ、革新炉開発に取り組む大手メーカーの他、プラントの健全性を支えるバルブ・配管等を製造する中小企業も参加。海外展開も見据えて、それぞれの強みをアピールしていた。 

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