規制委 高浜と女川の乾式貯蔵施設設置で審査書案了承
02 Apr 2025
原子力規制委員会は3月26日の定例会合で、関西電力高浜発電所と東北電力女川原子力発電所の使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置に関し、原子炉等規制法で規定する許可の基準に「適合が認められる」とする審査書案を了承した。今後、原子力委員会および経済産業相への意見照会とともに、パブリックコメントを経て、正式決定となる運び。
使用済み燃料の乾式貯蔵施設については、東日本大震災発生時、福島第一原子力発電所において、その頑健性が維持されていたことから、規制委員会でも原子力発電所への設置を推奨している。
関西電力では2024年2月、美浜発電所、高浜発電所、大飯発電所の各々構内における使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置計画について、地元の福井県、美浜町、高浜町、おおい町に対し、安全協定に基づく事前了解願を提出。その中で、高浜発電所に関しては、同年3月15日、第1期工事分(2025~27年頃)について規制委員会に申請した。1~4号機共用で、輸送・貯蔵兼用キャスク最大22基(使用済み燃料約240トン分)を貯蔵するもの。これに続き、同年7月には、美浜発電所、大飯発電所についても、使用済み燃料乾式貯蔵施設の設置計画に係る申請を同委に対し行っている。
一方、東北電力では2024年2月、2号機における使用済み燃料乾式貯蔵施設設置に係る原子炉設置変更について規制委員会に申請。1棟目、2棟目に分かれており、それぞれ貯蔵容器は最大で8基、12基、工事着工は2026年5月、2030年8月、運用開始は2028年3月、2032年6月が見込まれている。
両発電所とも、型式証明を受けた特定兼用キャスクとして、初めてのケースとなることから、各委員とも、審査書案の正式決定に向けて、パブリックコメントを行うことで一致した。