原子力産業新聞

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環境省、放射性物質対策に関するパワーポイント学習教材を公開

17 Jun 2020

環境省はこのほど、中学生以上を対象に、福島第一原子力発電所事故の発生から、放射性物質の状況、除染、福島県産品の食品の安全性についてわかりやすく説明したパワーポイント学習教材「学んで、考えてみよう 放射線・放射性物質対策のこと」を公開した。

2013年度より制作・公開している福島県出身のタレントなすびさんの現地取材によるコンテンツ「なすびのギモン」をベースにしたもの。環境省ではこれまでも、教師が「自身で放射線・除染に関する授業を実施する」、生徒が「身の周りの放射線や除染について知り、考え、成長して県外に出たときに、自分のこと、福島のことを少しでも説明できるようになる」ことを目標に、小学生向けの紙芝居「ふくろう先生の放射線教室」(全3巻)、放射線測定実習プログラムなど、授業での実践事例とともに、資料の制作・公開を行ってきた。

今回公開されたパワーポイント資料は、「I.東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故」、「II.除染について」、「III.福島県産品の食品について」、「IV.放射線が体に及ぼす影響について」の4つのテーマを系統立ててスライド形式で整理。例えば、「II.除染について」では、校庭、雨どい、プール、道路、農地の除染手法や、除染効果の確認、除去土壌の保管、中間貯蔵施設への輸送など、一連の取組を写真や地図を交えて説明。また、「III.福島県産品の食品について」では、まず食品中の放射性物質の基準値を述べた上で、生産現場における安全確保の取組として、農地の反転耕(放射性セシウムが付着している表面土と汚染されていない下層の土を入れ替える)、放射性カリウムの吸収抑制対策を紹介。また、市場に流通する前の農水産物、米、牛乳の放射性物質に関するモニタリング検査について、県の他、身近なスーパーでも独自の検査を行っていることをあげるなど、生徒自身でも調べさせるようにしている。

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