NUMOが寿都町より処分地選定に向けた文献調査応募書を受領、「科学的特性マップ」公表後初
09 Oct 2020
片岡寿都町長(左)がNUMOを訪れ近藤理事長に文献調査応募書を手渡した
原子力発電環境整備機構(NUMO、東京都港区)は10月9日、北海道寿都(すっつ)町より、高レベル放射性廃棄物地層処分の処分地選定に向けた文献調査に係る応募書類を受領した。
文献調査は、最終処分法で定められた3段階の調査(文献調査:2年程度、概要調査:4年程度、精密調査:14年程度)の最初のプロセスとして、地質図や鉱物資源図など、地域固有の文献・データをもとにした机上調査を行うもので、現地作業(ボーリングなど)は実施しない。また、次の調査に進む場合には、改めて知事と当該市町村長の意見を聴き、反対の場合は先に進まないこととなっている。
文献調査への応募については、高知県東洋町の事例(2007年)があるが程なく取り下げられており、2017年に地層処分に係る適性を全国地図で示した「科学的特性マップ」が公表されてからは今回が初めてとなる。
寿都町の片岡春雄町長は9日、NUMOを訪れ、近藤駿介理事長に文献調査応募書を手渡した。近藤理事長は感謝の意を述べた上で、「われわれも地域社会とともに勉強していく。是非ご指導願いたい」と、相互に学習しながら対話活動に取り組んでいく姿勢を示した。NUMOは今後、「科学的特性マップ」に示された情報の確認、文献調査計画書の作成、経済産業省への年度事業計画の変更認可申請など、所要の手続きを進めていく。〈近藤理事長のコメントは こちら〉
寿都町による文献調査応募を受け、梶山弘志経産相は、同日の閣議後記者会見で、8日に北海道神恵内(かもえない)村議会でも文献調査の誘致請願が採択されたことに触れ、両町村による判断に対し謝意を示した上で、「地域の理解・協力を得ながら全国のできるだけ多くの地域に最終処分に関心を持ってもらえるよう取り組んでいく」と、理解活動に努める姿勢を改めて示した。経産省では9日、神恵内村に対し文献調査の申入れを行う。