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東北大、量研機構他とともに医療用RIの量産化に向け「DATEプロジェクト」を始動

20 Oct 2020

東北大学は10月19日、量子科学技術研究開発機構、住友重機械工業、千代田テクノルとともに、加速器を利用した革新的医療用ラジオアイソトープ(RI)製造施設の整備を図る「DATE(Deuteron Accelerator for Theranostics mEdicine at Tohoku University)プロジェクト」を立ち上げたと発表した。〈東北大発表資料は こちら

同学サイクロトロンラジオアイソトープセンターが有する既存の加速器施設を増強し、様々ながんの診断・治療に有効なRI医薬品の国内での量産化、国際的な医療用RIの研究開発拠点形成を目指すもの。仙台藩主の伊達氏に因んだプロジェクト名“DATE”だが、“Theranostics”は「診断と治療の融合」を意味し、医薬品を投与する患者ごとに個人差のある集積度、治療効果、副作用などを考慮した最適な「個別化医療」を提供する重要性が込められている。

RI医薬品の利用には、RIを含む薬剤を投与し発せられる放射線を捉えるポジトロン断層法(PET)などの画像診断の他、ラジウム223他を用いたアルファ線がん治療がある。近年整備の進む重粒子線がん治療が体外から照射し局所がんに有効なのに対し、アルファ線がん治療は体内から照射し転移性の病変に対して有効だ。

ベータ線核種についても、ヨウ素131(甲状腺がん)やストロンチウム89(疼痛緩和)が既に利用されており、新たに銅67などもがん治療に適したベータ線と画像診断に適したガンマ線を同時に放出することから、病巣への薬剤の集積をその場で診断し合わせて治療も行える可能性があるとして注目を集めている。東北大学では、この銅67や銅64の量産に向けて、同一元素であることによるコスト上のメリットにも期待し研究を進め、このほど両核種の精製技術開発に成功し、マウス(大腸がん)により銅67の腫瘍部への集積を実証。こうした成果を踏まえ、「DATEプロジェクト」では今後、参画各者の強みを活かし、銅67や銅64の量産を始め、多様なRIのオンデマンド製造を目指す。

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