九州電力川内1号機、「特定重大事故等対処施設」初の運用開始
12 Nov 2020
テロ対策施設が運用開始した川内1号機(左)
九州電力川内原子力発電所1号機のテロ対策となる「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が11月11日、運用を開始した。発電再開は26日の予定。
新規制基準で要求される特重施設の設置は、プラント本体の工事計画認可から5年間の猶予が与えられている。2015年に再稼働の先陣を切った川内1号機だが、同施設の運用開始も今回初の事例となった。
川内1号機は、2020年3月17日の特重施設設置期限満了を前に、同16日に定期検査入り。当初、同機の発電再開は12月26日が予定されていたが、特重施設設置工事の工期短縮の見通しが得られたことから、1月前倒しとなった。同じく2号機も5月20日に定期検査に入っており、特重施設の整備を完了した上で、12月26日に発電再開となる予定。特重施設は、セキュリティ上詳細について明らかにされていないが、緊急時制御室、電源、注水ポンプなどを原子炉建屋から離れた場所に整備し、大規模な損壊が発生した際にも、原子炉格納容器の破損を防止する機能を有するもの。
特重施設の整備を巡っては現在、関西電力高浜発電所3、4号機が10月までに設置期限を満了し定期検査中となっている。両機の特重施設に関しては、訓練項目などを盛り込んだ保安規定変更が10月7日に原子力規制委員会より認可された。3、4号機はそれぞれ、2021年1月中旬、2月中旬に営業運転に復帰する見通し。