規制委、原子力機構人形峠ウラン濃縮原型プラントの廃止措置計画を認可
20 Jan 2021
人形峠環境技術センターを訪れた田中委員(右、原子力規制委員会提供)
原子力規制委員会は1月20日、日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センター(岡山県鏡野町)のウラン濃縮原型プラントに係る廃止措置計画の認可を決定した。2018年に申請されていたもの。廃止措置の完了は2040年度、解体費用は約55億円が見込まれている。
ウラン濃縮は、核分裂しやすいウラン235を天然の約0.7%から軽水炉での使用に適した3~5%程度に高める燃料加工の一工程。原子力機構では、国内での核燃料サイクル事業の確立に向けて、1979年より技術開発に取り組んできた。ウラン濃縮原型プラントは、パイロットプラントの成果を引き継ぎ、遠心分離法濃縮技術や機器・設備の大型化など、商業化につなぐ研究開発を目的としたもので、1988年から2001年まで運転し約350トン(100万kWの原子力発電所で約3年分)の濃縮ウランを試験生産。1996年からは、回収ウラン(使用済燃料から再処理によって分離精製して回収したウラン)の再濃縮試験も行われた。原型プラントを通じて得られた技術は日本原燃の六ヶ所ウラン濃縮工場に導入されている。
廃止措置計画で、プラント内の核燃料物質(六フッ化ウラン)については、原子炉等規制法による許可を受けた原子力事業者に廃止措置終了までに全量を譲渡するとしており、遅くとも2028年度末までの譲渡先決定を目指している。